配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
ソフトウェアの誤りやハードウェアの故障によって生じる計算機の一時的な停止を利用者に気づかせないような高可用性システムは非常に重要であ. 従来ハードウェアで実現されていた高可用性をソフトウェア的手法を用いることにより次のような利点を生じる. 1)ソフトウェアが原因の一時停止に対処できる. 2)特別なハードウェアを必要とせず経済的である. 逆にこの方法の欠点は処理効率が落ちることである. 本研究では, 冗長計算による高可用性システムの能率向上のための並行処理制御方式を実現した. 1.冗長計算を考慮した並行処理制御:従来完全に同期して行っていた冗長計算をできる限り非同期して行うことにより, 同期のためのオーバヘッドを減少でき, さらに計算の重要度に応じて冗長度を選択できるようにした. また, 同じ計算を行っているプロセッサで先行しているプロセッサの処理の系列を遅れているプロセッサが守ることにより, すくみや後退復帰の可能性を減少できることを示した. さらに, この考え方を拡張して多重待ち二相施錠方式と呼ぶ新しい並行処理制御を開発した. 2.二重系による冗長度の減少:計算の誤りを検出するだけなら二重の冗長計算で十分である. また, データベースシステムにおいては予め処理の系列が分かっていると処理効率を向上できる. 従って, 二重計算を行う場合でも, 最所に1つのシステムで実行し, その処理系列をもう1つのシステムが実行することにより処理効率を向上できる. このような二重系のための並行処理制御を開発した. 3.故障からの回復の効率化:通常行われている回復処理では, 障害の種類に関係なく最も重い障害で用いる回復法を使用する. これを障害の程度に応じた回復処理を用いることにより, 軽い障害は高速に重い障害は確実に回復できようにして効率を向上させた.
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