研究課題/領域番号 |
60460137
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘昌 東北大, 電気通信研究所, 助教授 (20006274)
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研究分担者 |
佐藤 俊一 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30162431)
鈴木 隆之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (60154548)
稲場 文男 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90006213)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1986年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1985年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 面発光レーザ / リアクティブ・イオン・エッチング / 光集積化 / 微細加工 / 半導体レーザ |
研究概要 |
従来の半導体レーザは他の素子とのモノリシックな集積化が難しく、光学素子に要求される2次元アレイ化は困難である。本研究では、基板面に垂直方向に光出力を取り出す新しい構造のCoaxial Transverse Junction(CTJ)形面発光素子を提案し、その試作およ動作特性の評価を行ったものである。基本的構造はn-GaAs/n-AlGaAs/n-GaAsからなるDHウエハに円柱または井戸状の加工を施し、側面が基坂と垂直になるように形成する。この後、Zn拡散によってpn接合をこの側面に平行に同軸上に形成するもので、この構造では活性領域の長さがほぼ側壁部分の高さに対応するため、基板に垂直な発光方向に十分大きな増幅利得を持たせるることができるという特長がある。 円柱形状の側壁内部に同軸状の活性領域を有するColumn type CTJ(C-CTJ)形発光素子と、井戸状の穴の側壁内部に同軸状の活性領域を形成するWell type CTJ(W-CTJ)およびHole type CTJ(H-CTJ)形発光素子について検討を行った。素子形状の加工には【Cl_2】-Arリアクティブイオンエッチング技術を開発して用い、異方性エッチング特性により20〜30μmの深さの垂直加工を実現し、さらにZn拡散による基板に垂直な側壁内部の平担なpn接合の形成を確認した。H-CTJ形は共振器内に損失を与える余分の層を含まないことからレーザ動作に適している。低温10Kでパルス電流励起し、電流-光出力特性および発光スペクトル特性より発振を確認した。発振しきい値は90mAで、励起を上げると単一モード動作を示した。室温動作について検討を行い、反射鏡の反射率を90%以上とすると発振しきい値は約200mA以下と見積られた。より低しきい値動作を実現するためには、Zn拡散や電極プロセス等の改善、素子サイズの最適化が今後の課題として残されているが、本研究によってCTJ構造面発光レーザの基本特性が明らかにされ、2次元アレイ化に優れていることが示された。
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