研究課題/領域番号 |
60460159
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉井 信行 東大, 工学部, 教授 (90010818)
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研究分担者 |
河原 能久 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70143823)
廣沢 佑哺 東京大学, 工学部, 助手 (40010813)
浅枝 隆 東京大学, 工学部, 助教授 (40134332)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1985年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 複断面水路 / 組織渦 / 低水路と高水敷の干渉 / 付加抵抗 / 乱流モデル / 上昇流 / せん断層不安定 |
研究概要 |
本研究においては、複断面水路の主水路と高水敷の接合部に生ずる組織渦に焦点を当て、理論的・実験的・数値シミュレーション手法を組み合わせることにより、組織渦の生成因,それが流れに与える効果,および流れ場全体の定量的予測手法について従来の知見を前進させることができた。 流速差を有する2つのせん断層が相接すると、その間には組織渦が生じ、さらにそこには渦軸方向への水塊の移動が認められた。壁面に沿う上昇流のみが存在する実験では組織渦は観測されず、組織渦の成因は流速差であり、上昇流はそれに付随するものであることが判明した。また、組織渦の波数は2次元せん断層において最も発達率の速い擾乱波の波数で説明できることが確認され、この事実からも流速差成因説が首肯される。 上昇流の強さの推定は、渦軸が主流速の鉛直分布に従がって引き伸ばされるという前提の下に解析が行われた。渦軸の引き伸ばしに伴なう渦度勾配により誘起される上昇流の強さは、可視化により観測された値とほぼ一致したので、本研究で考えた機構は現象の本質を表現し得たと考えられる。 水深方向に平均化した基礎方程式を理論的に解くことにより、1次元解析法に必要な水理量について理論的な予測が可能となった。流速の水路横断方向の分布より、接合部の鉛直分割面に作用する付加せん断応力が求められ、これを基に断面の合成粗度係数,エネルギー補正係数などを予測することが可能となった。理論値と従来の観測値は幅・水深比の広い範囲に対してよく一致する。 代数的応力モデルを適用することにより、主流速の分布,2次流の分布,2次流の強さ,乱れエネルギーの分布などが再現できることが分かった。さらに、乱れエネルギーの収支式の中の各項の大きさを定めることができた。
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