配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
本研究は, 貯水池及び湖沼の水質改善策の一つである空気泡プルームを用いた曝気循環法について検討したものである. 曝気循環法の効果は, 対象とする水域により異なり, 統一的な評価を得るには至っていない. したがって, その効果の把握のための調査研究の進展, 及びその成果に基く実用化のため技術的な方法の確立が急務と考えている. なかでも, 本研究で対象としている空気泡プルームにより生ずる流れの運動学的挙動とそれに伴う各種水質変化過程の解明は, 上述の緊急課題を解決するための基礎として極めて重要である. 本研究では, このような現状を踏まえ, 空気泡プルームにより生ずる流れの水理学的特性を十分再現できるシミュレーション・モデルとその数値解析手法を確立するとともに, 現地への適用を試みている. さらに, 空気泡プルームによる流れが貯水池の水質に及ぼす影響についても検討している. すなわち, まず空気泡プルームと周囲水の水理学的挙動を解明するために, 円形水槽を用いた実験を行い, 実験結果を従来の研究成果もふまえて整理している. さらに, 気泡体積を考慮したシミュレーション・モデルを用いて数値解析を行い, 実験結果と比較・検討することによりその妥当性を検証している. 次に, 基礎実験により検討されたシミュレーション・モデルの間欠式揚水筒による現地実験が行われている場への適用を検討し, 妥当な結果を得ている. また, 曝気循環による貯水池水質改善効果を明らかにすることを目的に, 空気泡プルームのシミュレーション・モデルと植物プランクトンの種構成を考慮した富栄養化モデルとの組合せ用いて数値解析を行い, 少なくとも定性的には妥当な結果を得ることが検証された. 今後, より多くの現地観測資料とシミュレーション・モデルとよる解析結果を比較・検討することにより, モデルの精度向上を計り, 曝気循環法の効果的運用についての具体的検討が重要と考えられる.
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