研究分担者 |
八木 俊策 攝南大学, 工学部, 講師 (20093479)
盛岡 通 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029350)
山口 克人 大阪大学, 工学部, 助教授 (90029166)
伊藤 龍象 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10025869)
吉川 〓 大阪大学, 工学部, 教授 (70029742)
芝 定孝 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40026274)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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研究概要 |
本研究の目的は, 相互に独立して進歩してきた大気汚染・水質汚濁制御を現象論的・制御論的に統合して, 総合的な都市環境制御の成熟をはかることであり, 3年間の研究期間にほぼ次のような成果を得ることができた. 1.まず, 気象予報システムの発展動向を調査して, メソ〜ミクロの大気および降雨現象が関係する本課題の目的はまだ十分に意識されていないこと, したがって本研究を雲物理学〜雲化学的にすすめることの意義を再確認した. ただし, これに応じて必要となる降雨・気象観測密度はAMeDASではまだ不十分で, 観測点の最適配置の問題はむしろ今後に残された. 2.大気拡散モデルだけでは汚染物の時空間的地表面源供給量分布を得られないので, メソスケールの海陸風に関する計算機流体力学によるシミュレーション手法をほぼ完成させ, これへのSO_x, NO_xの地表面沈着モデルの組込みも行った. 一方, 速度論型の微量有害化学物質多相環境運命予測モデルの開発に関連して, 大気・水・土壌中濃度の相互関係を定式化し, これに対してもメソ気象モデルの適用が必要なことを見出した. 3.上記の多相運命モデルに関する雨天時流出のデータの分析によって, ケモグラフの特性を化学物質の土壌平衡吸着常数の差異で説明することに成功し, 従来のポリュートグラフの取扱いを格段に発展させた. 4.流域土地利用特性に対した降雨情報の予測が可能になるという前提のもとに, 浸水被害を実時間的に最小化するDP型の都市雨水流出制御戦略をDDMによって定式化し, 一方この前提があいまいな場合のポンプ場での雨水汚濁制御法として, ファジー制御が有効なことを明らかにした. 5.酸性雨形成現象に伴う雨滴の汚染ガス吸収反応を, 雨滴内外での物質移動, 雨滴内の酸化反応として詳細にモデル化し, 大気と雨滴の化学工学的諸特性相互間の種々の関係を導いた.
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