研究課題/領域番号 |
60460170
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 功 東京大学, 工学部建築学科, 助教授 (90011212)
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研究分担者 |
大橋 好光 東京大学, 工学部建築学科, 助手 (70160603)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 構造要素 / 立体的配置 / 木造住宅 / 耐震設計法 / 戸建住宅 / 木造軸組構法 / 床構面 / 水平面内剛性 / 耐力壁 / 鉛直構面 / 実大立体試験体 / 水平荷重 |
研究概要 |
戸建住宅規模の木造軸組構法による建物では、通常構造計算を行なわず、従って床構面の水平面内の剛性・強度について、力学的な検討を行なうこともまれである。本研究は、床構面の仕様の違いが、建物の挙動に及ぼす影響について、耐力壁をもつ鉛直構面を含めた実大の立体試験体に水平荷重を加え、その特性を把握しようとするものである。 試験体は、桁行7P(1P=90cm)梁間3Pで、6帖と4.5帖の部屋が隣接するような平面を有している。高さは、2階建のうちの2階床面までとした。柱、梁、桁、筋かいは同一のままで壁の仕様を2種類、床の仕様を3種類とし、それらの組合せで合計4試験体とした。樹種・木材の断面等は、継手仕口等の仕様は住宅金融公庫の仕様書に準じた。 実験では、A〜Dの各試験体について、梁間方向の3構面と桁行方向の1構面について順次変位制御で繰返し水平加力を行なった。梁間方向については、各梁のほぼ中央上端(床板のある場合は床上)に固定した加力用金物に、桁行方向については、桁端部の木口面にジャッキを接続した。各試験において、加力構面での最大変形は層間変形角で1/120rad.までとした。 荷重と変形の関係では、非線形的な性状、繰返しによる剛性の劣化は、耐力壁単体の場合とほぼ同様である。各実験における正負繰返しサイクルの最大変形時における床構面の変位の状態では、梁間方向のうち、両妻にあたる構面を加力した場合は、ねじれが卓越し、中央の構面を加力した場合は、併進的な変位状態になっている。定性的にみる限り、床板を張った試験体ではもちろん、火打のみの試験体でも、筋違いのみの壁に対しては、床構面はせん断力をよく伝えていることが分かった。また、加力構面の変形が正負1/120の時の荷重では、床構面の剛性が高まると、両妻面の壁構面の力の分担が増加することが示された。
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