研究概要 |
3ケ年の研究のまとめを以下に行っている. 1.韓国の都市類型について 主成分分析により都市化工業化の因子を抽出し都市の類型化を行い6つの型があることを示し, その型の時系列の変化や空間的相互関係を考察し, 国土計画による都市化, 工業化傾向の影響を考察した後, それが高密度総合都市を最上位としたヒエラルキーが存在していることを明らかにした. 2.国土開発計画の比較 開発の根拠法である韓国の国土建設総合計画法と日本の国土総合開発法を比較して, 法の構成, 目的など基本的な点で類似点が多いこと, しかし韓国の場合が具体的規定が多いことなどを指摘した. 計画の目的や主題, それを実施していく手法, フレームの位置づけ, 計画の総合性等を比較し, 全体として日本の影響が大きいが, 韓国では, 計画に記述された事項は具体的であり, かつ実施されることが期待されていることを指摘した. 3.都市計画と用途地域制度の比較 韓国では戦前から日本の影響が強く戦後も引き継いでいること, しかしながら日本が植民地政策として国内では実施出来なかったところの一面では理想的な緑地地域を市街地計画令にもりこみ, それが今日での韓国独自の開発制限区域を生みだしていることを指摘している. また, 最小限敷地規模の設定などの都市環境を保全する地域, 地区制度に特徴があることを指摘した. 4.用途地域面積の指定要因と原単位の比較 第5章では, 用途地域制度に従って実際に指定されている図をみると, 人口, 従業者数が地域指定する場合の目安として採用されていること, 日本の場合は現況主義的指定であり, 韓国の場合は計画主義的でコンパクトな市街地形成を意図しているとした.
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