研究課題/領域番号 |
60460192
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 謙一 阪大, 産業科学研究所, 教授 (60029832)
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研究分担者 |
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
中田 芳幸 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (40164214)
掛下 知行 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90127209)
坂本 英和 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60089886)
唯木 次男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (90029885)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | マルテンサイト / 磁場誘起変態 / Fe-Ni-Co-Ti / 磁気弾性 / 臨界磁場 / 変態温度 / 熱弾性 |
研究概要 |
熱弾性型マルテンサイト変態を示すオースエイジを施したFeー33.04Niー10.7Coー3.94Ti(mass%)合金多結晶にパルス強磁場を印加して、熱弾性型マルテンサイト変態に及ぼす磁場効果を詳細に調べた。用いた合金は、高周波溶解により作成し、これを均一化焼鈍した。その後圧延を行ない板状にし、これから3mm×10mm×0.28mmの板状試片を切り出し、溶体化処理後オースエイジ(973K,10.8ks)を施した。用いた磁場は阪大のパルス強磁場で、その最高磁場値は31.75MA/mである。以下に、得られた結果を示す。 1.電気抵抗(77K〜300K)ならびに磁化測定(4.2K〜300K)により求めたこの合金の変態点Ms,AsおよびAf点はそれぞれ127,60および159Kである。 2.磁化測定により、毋相とマルテンサイト相の自発磁化の温度依存性を求めた。その差は、温度の下降とともに減少し、Ms点直下で約0.3μBである。 3.Af点以上の温度で、磁場を印加・除去することに伴ないマルテンサイト晶が弾性的に生成・消滅する"磁気弾性マルテンサイト変態"を見い出した。しかしながら、Ms<T<Afの温度範囲では、誘起したマルテンサイト晶の一部が磁気弾性であり他は残留した。 4.変態を誘起するにはある臨界磁場がある。この臨界磁場と変態点の変化ΔT(TーMs)の関係は湾曲度の小さい曲線になっている。 5.磁場誘起マルテンサイト量は、ΔTにかかわらず印加磁場の大きさに依存し、ほぼ比例して増加する。また、T>Afでは誘起したマルテンサイトのすべてが磁場の除荷とともに消失し、Ms<T<Afでは一部が残留する。 熱弾性マルテンサイト変態を示すこの合金の単結晶を作成できなかったため、磁気弾性マルテンサイト変態に及ぼす磁場効果の結晶方位依存性を調べることができなかった。これは今後の課題であるが、Fe-Ni合金については結晶方位依存性のないことが分かった。
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