研究課題/領域番号 |
60460219
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮崎 元一 金沢大, 薬学部, 教授 (50009164)
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研究分担者 |
木津 良一 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (80143915)
大久保 登 金沢大学, 薬学部, 助手 (30115216)
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 助教授 (40115267)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 生理活性物質 / 制癌剤 / 白金錯体 / cis-diamminedichloroplatinum(【II】) / (trans-l-1,2-diaminocyclohexane)oxalatoplatinum(【II】) / 高速液体クロマトグラフィー / 高感度分析法 / 体内動態 |
研究概要 |
近年、白金錯体はその制癌作用の点から注目されているが、これまで制癌作用の主体を担うと考えられる未変化体の体内動態の追求は困難であったため、白金錯体の体内動態と活性発現の関連については、殆ど研究されていなかった。本研究では、この白金錯体の体内動態と活性発現の関連を明らかにする目的で、臨床で使用されている基本的な白金錯体のcis-diamminedichloro-platinum(【II】)(CDDP)を取りあげ、特に未変化体CDDPの体内動態を、家兎を用いて追求した。まず、体内動態研究に資する目的で、高速液体クロマトグラフィーによる生体試料中CDDPの分析法について検討した。その結果、分離カラムには陽イオン交換カラム及び陰イオン交換カラムを用い、両カラムの間で流路切り換え操作を行ない、CDDPが強い吸収を示す210nmでCDDPを検出することにより、血漿及び尿中のCDDPを高感度で分析できた。更に、本研究補助金で購入したフォトダイオードアレイUV-VIS分光光度計検出器(島津SPD-M1A)を活用することにより、従来保持時間でしか同定できなかった目的ピークを、そのスペクトルから確実に同定することができ、より正確な定量を行なうことができた。次に、この分析法を用いて、CDDPの副作用軽減剤の一つであるチオ硫酸ナトリウム(STS)を、併用投与した場合のCDDPの体内動態の変化を検討した結果、STSの腎毒性軽減効果と関連していることが強く推定される体内動態の変化を、明らかにすることができた。更に、CDDPに続く有望な第二世代制癌性白金錯体の一つである(trans-l-1,2-diaminocyclohexane)oxalatoplatinum(【II】)とCDDPの体内動態の相違を検討したところ、未変化体の体内動態,特に尿中排泄速度が大きく異なることを見い出すことができた。本研究は、CDDPのみならず他の制癌性白金錯体についても、体内動態と効果発現の関連を解明する糸口となるものであり、今後、更にこの方面の研究の発展が期待されるものである。
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