研究課題/領域番号 |
60460224
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
尾田 年充 広島大, 工学部, 教授 (60034550)
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研究分担者 |
多幾山 憲 広島大学, 工学部, 助手 (40112180)
藤田 俊昭 広島大学, 工学部, 助教授 (90034420)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 再結合プラズマ / 反転分布 / 短波長レーザー / 衝突・放射モデル / Zピンチガン / 占有密度 |
研究概要 |
本研究の目的は、近年有望視されている再結合プラズマを利用した短波長レーザーの開発に寄与するため、再結合プラズマにおいて反転分布の生ずる主要な過程を実験的に解明し、理論的には衝突・放射モデルを用いて強い反転分布を生成するためのプラズマの条件を系統的に求めることにある。研究の対象とした再結合プラズマは、高密度高温プラズマを低温の気体との接触により急速に冷却させて生成したものである。研究成果の概要は以下の通りである。 1.水素再結合プラズマにおいて、水素のn=2と3の準位間の反転分布生成の条件を明らかにするため衝突放射モデルにもとずく数値解析を行なった。それによると適当な密度のヘリウムガスで【10^(13)】ー【10^(14)】【cm^(-3)】の水素プラズマを冷却すれば、準定常状態になってもレーザー発振のしきい値を超える反転分布を生成できることを見出した。 2.さらにヘリウムプラズマの場合には、【He^+】の準位間の反転について解析を行い、電子温度30eV,密度【10^(16)】【cm^(-3)】のヘリウムプラズマを【10^(-7)】秒の援和時間で冷却すればn=2と3の準位間で強く反転し、レーザー発振(波長164nm)が可能であることを示した。 3.実験では、Zピンチガンにより発生した高密度ヘリウムプラズマを中性ガス中に入射して冷却し、その際生成される再結合プラズマの反転状態を観測した。このような方法はプラズマ条件を大巾に変え得ることに特徴がある。 4.電子密度【10^(16)】【cm^(-3)】、電子温度4eVのヘリウム再結合プラズマにおいて【He^+】のn=4と5の準位間で反転分布を観測した。利得の評価によると、この反転分布でレーザー発振の可能性があることを見出した。即ち、Zピンチガンによる再結合プラズマの生成法は、強い反転分布の形成に役立つことが示された。 5.今後は、さらに電子温度を下げてn=2と3の準位間の反転分布の実現をはかる。このために、高濃度の水素ガスによる冷却が必要である。
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