研究概要 |
本研究の目的は, 高度な知的環境下における各種資源の有機的な統合を図り, 知的分散処理システム構築のための基本的な設計法を確立することである. 以上の目的を達成するため, 特に次の4点に重点を置き諸研究を推進し, 以下の研究成果を得た. 1.知識処理のための新しいネットワーク・アーキテクチャの提案と実現 2.高機能推論エンジンの設計と試作 3.知識ベースの構築, 特に歯科矯正用画像知識ベースの設計と実現 4.知的分散処理システムの基本的設計法の確立とその評価 初年度に当たる昭和60年度では, 我々が従来から継続研究している分散処理システム・論理型プムグラミング, 画像データベースに関する諸研究を更に発展させ, 各分担者が個々のシステムに関する基本技術を確立した. 2年目の昭和61年度では, 初年度の研究成果を基に, 実際にソフトウェアを作成して個別に稼働させ, 各々の機能と効率について個別システムの立場から十分に検討を行った. 具体的には, 以下の研究成果が得られた. (1)新しいネットワークアーキテクチャ用ソフトウェアの設計と実現 (2)関数型と論理型言語を融合した知識処理向きプログラミング言語の設計開発と効率よい言語処理系の実現 (3)歯科矯正用エンドユーザ言語用ソフトウェアの設計と実現 最終年度に当たる昭和62年度では, 年々高度化する知識の活用法に注目し, 個別に稼働させたシステムを有機的に統合化して, 知的分散処理システムの実験システムを構築した. 更に, 知識ベースとして歯科矯正用画像データベースを取り上げ, 構築した知的分散処理システムを通して評価検討を加え, 統合的な知的分散処理システムのための基本的な設計法を確立した.
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