研究概要 |
国土地理院の国土数値情報の地形データを地形学の研究に利用できるようにするために, 数値データ処理のアルゴニズムを検討し, ソフトウェアを開発し, さらにコンピュータ処理によって初めて可能になる新しい地形計測の方法について検討を加えることがこの研究の目的であった. この研究で作成されるソフトウェアは, いわば地形研究のツールである. 道具である以上, 身近かで使わなければ意味が無いので, 最近普及が著しい16ピットパソコンをターゲットとして選んだ. パソコンは周辺機器が充実しているので, 地理的データの入出力にはかえって好都合である. この研究で作成された国土数値情報地形データ処理システムの機能は次の通りである. 1)データの取入れ, 2)ファイル・フォーマットの変換などの編集, 3)コード変換, 4)格子感覚の変更, 5)局所的地形量の計算, 6)区域地形量の計算, 7)地域統計量の計算, 8)等高線地図の出力, 9)流域・水系網に関する処理, 10)数値地図の出力 このほかオプショナルな機能として, A)陰影図の作成, B)ラスターコンタリング, C)不規則に分布する点の値を用いて等高線を引く, D)任意輪郭の地域の切り出し, E)立体視等高線地図の出力, F)ランドサット画像の表示, などの機能を備えている. 成果はできる限り具体的な形で, すなわちプログラムの形で発表してきた. それが最も有効な方法だと考えたからである.
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