研究課題/領域番号 |
60470003
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 義也 東大, 教養部, 教授 (20013477)
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研究分担者 |
増田 茂 東京大学, 教養学部, 助手 (50173745)
大野 公一 東京大学, 教養学部, 助教授 (60012499)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 電子分光 / 固体表面 / ペニングイオン化 |
研究概要 |
最近固体表面の研究は著しい進歩を示しているが、化学的に興味深い固体表面における反応過程については十分な理解が得られていない。この原因は表面最上層に選択的でかつ高感度な表面解析手段が十分活用されていないためと考えられる。本研究では表面最上層の電子状態に関する情報を選択的に与えるペニングイオン化電子分光(PIES)と最上層における原子・分子の振動を高感度で検出できる高分解能電子エネルギー損失分光(HREELS)を用いて固体表面を解析する新しい手法を開拓することを試みる。 上の研究目的を達成するため、PIESとHREELSに加えて、LEED(低速電子回折),AES(オージェ電子分光)およびUPS(紫外光電子分光)用の機器を組込んだ固体表面総合解析装置を設計・試作した。次にこの装置を用いてNi(100)清浄表面とその上に吸着したCO表面の研究を行なった。その際LEEDとAESを用いて表面の構造と原子組成を調べ、次にPIESとUPSにより表面の電子状態を、HREELSにより振動状態を研究した。【He^*】PIESの結果によると、Niの清浄表面上ではヘリウムの準安定原子から2s電子がNi表面に移って【He^+】イオンを生じるので、INS(電子中和分子)の場合と同様なスペクトルが得られた。これに対し吸着表面ではNi原子がCOに遮蔽されてペニングイオン化が起り、表面から外側に浸み出した各軌道の電子分布に関する情報が直接得られた。 上の研究に加えて、PIESとUPSを用いて種々の有機薄膜表面のキャラクタリゼーションを行なった。その結果PIESを用いると表面最上層の分子配向と電子状態の変化が鋭敏に検出できることが確められた。特に最近注目されているLB膜(Langmuir-Blodgett膜)における分子配向が単分子層〜数分子層の極超薄膜においても直接調べられることがわかった。
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