研究課題/領域番号 |
60470022
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
花房 昭静 阪大, 産業科学研究所, 教授 (70033777)
|
研究分担者 |
市原 潤子 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (60110772)
山高 博 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (60029907)
安藤 喬志 滋賀医科大学, 教授 (70029867)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | 不均一系有機反応 / 固体担体 / 超音波 / 固体担持試薬 |
研究概要 |
この研究の目的は、固相-液相不均一反応において、固体担体や超音波を利用してその反応を活性化し、有機合成に有用な手段とすることである。特に、シアン化カリウムおよびフッ化カリウムて有機基質の不均一反応について活性化を行った。その結果、実用的な方法を開発することができた。シアン化カリウムを求核体とする有機反応としては、臭化ベンジルとの求核置換反応、アルデヒドやイミンはの求核付加反応を選んだ。求核置換では固体担体としてアルミナを用い、さらに適量の水の添加や、超音波照射を利用すると、界面活性剤を用いる場合よりも活性化が大きくなった。シアンヒドリン生成では、超音波照射によって反応が著しく加速され、生成物の単離や精製も容易で有った。この方法は、ピレスロイド系農薬の合成に応用された。シアン化物とアンモニウム塩にアルデヒドを不均一系で反応させ、α-アミノニトリルを生じる反応では、固体担体としてのアルミナの共存と超音波照射の相乗効果によって、目的物が高収率で得られた。シアン化物のイミンへの付加反応では、天然高分子のキチンが固体担体として有効で、反応を促進するだけでなく、エナンチオ面区別反応が不斉収率約30%で進行した。 フッ化カリウムは、アルミナと混合すると、ハロゲン化アルキルによるアルコールやアミドのアルキル化反応において固体塩基として働くことを見出した。この固体塩基について、走査電子顕微鏡や粉末X線回析による表面観察や、【^(19)Fnmr】スピクトルの測定などを行い、水和されたフッ化物イオンや水酸化物イオンの存在を認めた。フッ化カリウムと粉末フッ化カルシウムを混合すると、塩化ベンゾイルや臭化ベンジルとの不均一系の置換反応が活性化され、有機フッ素化合物を合成する実用的な手段となることを見出した。 本研究課題は、この補助金のおかげでこれらの成果を挙げることができた。ここに厚く感謝する。
|