研究課題/領域番号 |
60470057
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
末高 洽 東北大, 工学部, 教授 (10005845)
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研究分担者 |
大沢 雅俊 東北大学, 工学部, 助手 (00108466)
八田 有尹 東北大学, 工学部, 助教授 (70005502)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 赤外スペクトル / 金属表面電場 / 全反射 / 界面化学結合 / 電極表面 / その場測定 |
研究概要 |
この研究では金属一固(液)体界面に存在する分子の選択的測定法としてプリズム反射面に金属薄膜のある赤外ATR分光法を開発するのを目的とした。研究の結果つぎの成果が得られた。 1.赤外吸収強度増大の機構:この方法では赤外吸収強度が少なくとも数百倍増大する。この機構について理論的に考察した結果、金属を含む界面薄層内の電場により金属薄膜の微細な凹凸部に誘起される強い振動電場がその原因である事を結論した。 2.金属電極表面に吸着したイオンの挙動:金および銀電極表面に吸着した【SCN^-】,【CN^-】イオンの電極電位の変化に伴なう挙動をin-situ測定した。その結果、【SCN^-】イオンはS原子で金属と結合する事、【Cl^-】イオンの共存によってその銀電極への吸着が阻害される事が見出された。また、【CN^-】イオンの挙動は平滑な電極表面について外部鏡面反射法で測定されたものに一致する。しかし、測定されるのは金属と直接結合する化学種のみであり、外部鏡面反射法では重複して測定される溶存化学種の信号は存在しなかった。その上、外部反射法のように溶液層を薄くする必要がなく、またSERSのように測定対象が特定の状態に存在する限定された化学種に限られる事も無い。すなわち、この方法が電極表面化学種の振動スペクトルの測定に最適であると結論出来る。 3.ニッケル表面化学種の測定:この測定法の貴金属以外への応用の可能性を探るため、ニッケル薄膜を用いた測定を行なった。その結果、ニッケルでは赤外吸収強度の増大は貴金属にくらべ小さいが、金属表面近傍に存在する分子が測定されることは同様である事が分った。なお、赤外吸収はこの場合、反射率の増加として測定される。
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