研究課題/領域番号 |
60470064
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
合志 陽一 東大, 工学部, 教授 (90111468)
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研究分担者 |
福島 整 東京大学, 工学部, 助手 (70189934)
宮村 一夫 東京大学, 工学部, 助手 (40157673)
飯田 厚夫 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (10143398)
澤田 嗣郎 東京大学, 工学部, 助教授 (90011105)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 状態分析 / 蛍光X線分析 / シンクロトロン放射光 / 選択励起 / 微量分析 / 鉄化合物 / X線 / 吸収端 |
研究概要 |
本研究の目的は、単色X線を用いて元素を化学的存在状態別に励起することにより微量化学種の存在状態別の分析を行う方法についてである。フォトンファクトリー(高工研)のシンクロトロン放射光を用い、強力な単色化X線を得て、それにより実験を行った。その結果、次のような成果を得た。 1.吸収法と蛍光法の関係の定量的比較 蛍光X線の選択励起は、吸収スペクトルの変化を利用するものである。吸収スペクトルと選択励起による蛍光X線スペクトルの関係を理論的に解析したところ、十分に厚さの薄い試料あるいは、濃度の低い試料であれば、吸収スペクトルと選択励起蛍光X線スペクトルは一致することがわかった。その範囲は、鉄においては40μg/【cm^2】400ppm(炭素のマトリックス中)である。このような条件からずれた場合の選択励起蛍光X線スペクトルの変化を定量的に明らかにした。11種のFe化合物について検討し、吸収法と蛍光法による吸収端の測定値はよく一致することを明らかにした。 2.散乱の影響とS/N 微量の測定においては、散乱がバックグラウンドとなり、定量下限を存在する、シンクロトロン放射光の偏光を利用し、散乱を低下させる方法を検討した。その結果、シンクロトロン放射光の偏光特性と単色化光学系の特性を考慮し、定量的に散乱を評価する方法を確立した。計算結果によれば、多重散乱の影響は、大きくないことがわかった。 3.状態分析 【Fe^(2+)】と【Fe^(3+)】の混在系において、定量的状態分析を行い、良好な結果が得られた。また検出下限について定量的に検討し、現在のPFリングの条件下で1分間測定によりFe化合物であれば、10ppmまで測定できることを明らかにした。
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