研究課題/領域番号 |
60470081
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
須沢 利郎 広島大, 工学部, 教授 (20034291)
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研究分担者 |
白浜 博幸 広島大学, 工学部, 助手 (60127660)
玉井 久司 広島大学, 工学部, 助手 (40106802)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 免疫診断 / ラテックス / 表面特性 / 凝集性 / 分散安定性 |
研究概要 |
免疫診断用高分子ラテックスとして、粒子表面に官能基及び親水基を併わせもつ三元共重合ラテックスであるスチレン/メタクリル酸2-ヒドロキシエチル/アクリル酸共重合(P(St/HEMA/AA))ラテックス及びスチレン/アクリルアミド/アクリル酸共重合(P(St/AAm/AA))ラテックスを乳化剤不在系で合成した。親水基成分であるHEMA及びAAm量の異なるラテックスを数種類合成したが、いずれも粒子直径0.4〜0.5μmの単分散性の高い球形ラテックスが得られた。これらのラテックスの表面電荷密度の測定により、その粒子表面の電荷はアクリル酸に由来するカルボキシル基によるものと考えられた。またラテックス分散液のζ電位及び粘度測定により、これらのラテックス表面には、ポリAA,ポリHEMA及びポリAAmに基づく高分子ヒドロゲル層が存在することが示唆された。 これらのラテックスのNaCl濃度による分散安定性を調べ、それは親水性成分のHEMA及びAAm量の増加と共に良好となり、これらの高分子ヒドロゲル層に起因する立体的反発相互作用はpHにより変化し、分散安定性も変化した。また本研究で購入した光散乱分光度計(日本分光LSP-1型)を用いて調べたP(St/HEMA/AA)ラテックスの分散安定性の温度変化により、温度の上昇と共に凝集速度が増加すること、それはラテックス間の立体反発相互作用が温度の上昇により減少することに基づくこと、などを明らかにした。 さらに牛血清アルブミン(BSA)を被覆した上記ラテックスは、同様な凝集挙動を示したが、P(St/【HEMA_2】/【AA_2】)ラテックスのそれは高NaCl濃度領域で観察された。またBSA被覆率の増加と共に、凝集速度は、低NaCl側で増加し、高NaCl濃度側で減少した。全体としてこれらのラテックスの分散安定性はBSA被覆により増加することが判明した。
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