研究課題/領域番号 |
60470082
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 拓 九大, 工学部, 教授 (30037725)
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研究分担者 |
臼井 聡 九州大学, 工学部, 助手 (80185008)
中村 博 九州大学, 工学部, 助教授 (00117194)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 液晶 / 生体膜モデル物質 / 二分子膜 / 蛍光 / エネルギー移動 / 電子移動 / 磁場効果 / 表示素子 |
研究概要 |
光生物学的現象は液晶的反応場で発現する。そこで、表示用液晶および生体膜モデル二分子膜に担持した色素のエネルギー移動と電子移動について液晶の特性を利用して制御することを試みつぎの成果を得た。 (1)液晶相での光励起エネルギー移動:ネマチック液晶に増感剤と受容体色素を溶解した系を透明電極セルに封入して電圧を印加したところ、増感剤の励起光吸収量はあまり変化しないにもかかわらず受容体の蛍光強度は大きな電場依存性を示してエネルギー移動効率が見掛け上いちじるしく変化した。しかし、これらの系の蛍光寿命は印加電圧に依存しないので、真のエネルギー移動効率は液晶の分子配向変化に支配されないことが明かとなり、受容体の蛍光強度変化は蛍光発射方向が液晶の分子配向により大きく変化することを示唆した。そこで、蛍光強度の角度依存性を求めてその確証を得た。 (2)膜面を介する光電子移動:生体膜モデル物質であるアンモニウム塩二分子膜系に、ポルフィリン亜鉛錯体とビオローゲンをメチレン鎖で結合した電子供与体-受容体連結系を組み込み、レーザー励起による分子内電子移動反応の速度を解析した。メチレン鎖数4から8迄は容易にポルフィリン三重項のビオローゲンによる電子移動消光で二分子膜内から界面へ電子が運び出され、逆方向の電子移動の速度は磁場の印加により大幅に抑制されることが明かになった。 (3)膜系における光誘起電荷輸送と電荷プール機能の発現:ビオローゲンを末端基とする界面活性剤型ミセルや二分子膜などの組織体で、界面に配列したビオローゲン間の電子交換により電子輸送と電子の貯蔵が可能なことを明かにした。また、電子供与体であるカルバゾール単位を分子内に持つ化合物の二分子膜についてレーザーイオン化を行い、カルバゾール基間での正孔の移動が可能なことを見出した。
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