研究課題/領域番号 |
60470087
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡原 光男 阪大, 工学部, 教授 (70028992)
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研究分担者 |
益山 新樹 大阪大学, 工学部, 助手 (30157218)
中辻 洋司 大阪大学, 工学部, 助手 (00127268)
池田 功 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029049)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 両親媒性クラウン化合物 / 分子集合体 / ミセル / 二分子膜 / 陽イオン選択性 / イオノホア / 錯体形成能 / 界面物性 |
研究概要 |
目的とする両親媒性クラウン化合物の構造とその界面化学的諸物性の関連を評価するためには、きめめ細かいクラウン化合物の分子設計が肝要である。本研究者らは、今回、重要な鍵化合物となるアルコキシメチルヒドロキシクラウンエーテルとその出発原料となるグリコールジグリシジルエーテルの簡便な合成法の開発に成功した。その一方で、この化合物の他にも本研究者らが既にその合成法を確立している各種官能期をもつクラウン化合物から多くの新規な長鎖アルキル-鎖型並びに二鎖型クラウンエーテルを合成した。一鎖型については、水溶液中の界面諸物性を測定し、親水基の構造の違いによるミセル形成能の差異を調べた。また、水溶液中における量点は、同じ分子組成をもつものであっても親水基の構造によって大きく変化することを認めた。アルカリ金属塩化物存在下での量点挙動では、クラウン環の側鎖に水酸基をもつものが、メトキシ基をもつものに比べて塩析効果を受けやすく、その程度は錯形成能の大きい18-クラウン-6誘導体で特に顕著であった。このように水溶性の調節に際して親水基構造の分子設計の重要性が示唆された。一方、二鎖型の化合物では、超音波照射下での水中における分散系の安定性について検討した。一部のものについては、その分子集合体の粒度分布を明らかにするとともに透過型電子顕微鏡によって、これらの分子集合体が安定な二分子膜から成っていることを明らかにした。クラウン環のもつ機能の最大の特徴は、その陽イオンに対する選択的錯形成能である。本研究者らは、クラウン環を基本骨格とする化合物をイオンキャリヤーとして、陽イオンとその錯形成能に関与する部位に窒素原子を導入することにより、pH制御可能なアルカリ金属イオン能動輸送系を開発した。この結果は単体の物性に関するものであるが、二分子膜におけるる選択的膜透過制御への利用の基礎的知見を与えている。
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