研究課題/領域番号 |
60470098
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相馬 純吉 北海道大学, 工学部, 教授 (00001115)
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研究分担者 |
下山 雄平 北海道教育大学, 函館分校, 助教授 (50123948)
塩谷 優 北海道大学, 工学部, 助手 (80002137)
田畑 昌祥 北海道大学, 工学部, 助教授 (50091476)
大野 桂一 北海道大学, 工学部, 助教授 (00001298)
吉田 宏 北海道大学, 工学部, 教授 (20027410)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ポリアセチレン / ESE(電子スピンエコー) / スピン-格子緩和 / スピン-スピン緩和 |
研究概要 |
不融不溶のため、分析が容易でないポリアセチレンのキャラクタリゼーションの手法をCP-MAS【(13)_C】高分解能NMRを中心として確立した。この手法によって、ポリアセチレン試料を検定したところ、室温で短時間空気に接触したのみでかなりの劣化が進むことが見出された。この事実は物性測定に用いられるポリアセチレン試料は常にキャラクタリゼーションを行い、劣化の有無、程度を確認する必要があることを示す。 電子スピンエコー(ESE)法によって、ポリアセチレンのスピン-格子緩和時間【T_(1L)】,スピン-スピン緩和時間【T_2】を決定し、同一試料について定常法による測定値と比較した。その結果、二つの方法で決定された値は一致しなかった。この事実は、定常で、緩和曲線,線巾から上記緩和時間を決定する際に用いられる仮定がポリアセチレンには適合しないことを意味し、ESE法による測定値が信頼できることを示す。これ迄の測定値の多くは定常、によることを想起すれば、この結論は重要である。 【T_(1L)】と【T_2】との温度変化を、77Kから350Kへの温度域にわたって測定した。【T_(1L)】は温度と共に減少するのに対し、【T_2】はこの温度域ではほぼ一定であることが見出された。この事実は、ESRで検知されるポリアセチレンの不対電子はimmobileであり、局在化していることを示唆している。この結果は又、ベクトル飽和移動が検知された事実からも支持される。一方、ポリアセチレンの電気伝導に寄与する伝導電子は極めてmolileであることが知られている。ポリアセチレンにおいては伝導電子と不対電子は異なると考えられる。即ち、ESEで得られた緩和挙の実験はポリアセチレンの不対電子が炭素数約14程度の狭い範囲内に局在化していると考えるSuらのモデルを支持している。
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