研究課題/領域番号 |
60470099
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
長田 義仁 茨城大, 教養部, 教授 (60007804)
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研究分担者 |
栗村 芳実 茨城大学, 理学部, 教授 (80007707)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 人工筋肉 / メカノケミカル反応 / ゲル / 高分子電解質 / 刺激応答性高分子 / メカノケミカルシステム |
研究概要 |
当研究室では含水高分子電解質ゲルに電圧を印加すると水を放出しながら収縮する現象を見いだしている。このゲルの収縮を利用すれば仕事をすることが可能である。ポリメタクリル酸(PMAA)ゲルに荷重をかけて収縮仕事をさせると、ある荷重領域で収縮速度が増大するという特異的な現象を見い出した。すなわち、5.5gの荷重をかけると収縮速度は荷重なしの場合と比較して減少した。ところが、さらに大きな荷重をかけていくと収縮速度が次第に増大した(等尺性収縮,isametrlc contraction)。仕事量は50gの荷重時までほぼ直線的に増加している。通常の力学変換系が荷重を増加させても速度が減少する結果、仕事効率が一定であることと比較するとこれらの系は非常に特異的であるといえる。このような収縮速度、及び仕事量の増大はPMAAゲルに力をかけることによって高分子鎖が伸張し、カルボチシルル基が解離(逆メカノケミカル反応)した為に起きるものと考えられる。そこでPMAAゲルに微小pH電極を挿入して荷重をかけた際の解離度の変化について検討した。荷重によってゲルはある一定の長さまで伸び、それと同時にpH値の減少が観察された。さらにポリビニルアルコール(PVA)-ポリアクリル酸(PAA)高分子複合体ゲル膜を合成し、強度・収縮応答性に一層優れたたメカノケミカル物質を得た。その仕事特性について検討したところ極めて優れた収縮特性に加えてPMAAゲルと同様の特異的な特性を示した。様々な実験から特異的な仕事特性を示す高分子電解質ゲルの収縮が電気運動学的なイオンの移動と電荷を打ち消し合う際のポリマーの構造変化によって起きることを明らかにした。
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