研究課題/領域番号 |
60470105
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
滝澤 章 名古屋工大, 工学部, 教授 (90016262)
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研究分担者 |
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60135407)
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70016591)
YOSHIHARU Tsujita Nagoya Institute of Technology, Assistant Professor
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド / ジステアリル燐酸ナトリウム / オレイルアミン / 二分子膜 / 生体質のシミュレーション / ポリペプチドの分配 / 会合,イオン透過性 |
研究概要 |
二分子膜成分として負及び正電荷のヘッド基をもつジステアリル燐酸ナトリウム(DSPNa)及びジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(DSACl)オレイルアミンを採り、モデル蛋白質として親水性側鎖をもつポリグルタミン酸(PLGA),疎水性側鎖をもつポリメチルグルタメート(PMLG)、両者の共重合体(Copoly MG-GA)側鎖に比較的長い疎水性鎖をもつステアリルグルタメート-グルタミン酸共重合体(Copoly SG-GA)、更に光刺戟に対し応答するアゾ基を側鎖に含む共重合体(Copoly azo-MG-GA)など各種ポリペプチドを採って、二分子膜自身の構造と安定性,二分子膜へのポリペプチドの分配とその膜機能への効果について、広範かつ体系的な検討を行なった。DSACLは安定なベシクル系二分子膜を形成するが、DSPNaはコレステロールを,オレイルアミンはローデカンを補助的に加える必要がある。何れについてもゲル-液晶転移,ヘッド基と結合水との関係,添加ポリペプチドの影響を明らかにした。螢光分光分析の結果、PMLGは二分子鎖を貫く様に存在し、PLGAはイオン間相互作用のためDSACL膜では表面に、DSPNa膜では膜外,表面から離れて存在する。DSACL-Copoly MG-GA系では、膜内と膜表面にあるものの間に平衡が成立ち、平衡定数の温度依存性の検討結果、GA部分がヘッド基との相互作用を切って自由度を得ることが膜への分配の要点である。二分子膜内では、PMLG及びCopoly MG-GAは会合体を作り、後者のイオン透過性は單体の場合の約4倍に及ぶ。DSACL膜にCopoly azo-MG-GAを含ませ、紫外線を照射すると、アゾ基の光異性化により側鎖の極性が向上し、共重合体は二分子膜中から膜表面に出、膜のイオン透過性は減少する。表面の共重合体のGA部分を介してベシフルの凝集も観察される。以上により、合成両親媒性物質-合成ポリペプチド系による生体膜のシミュレーションに関して、その構造及び全体像が明らかになったと考えている。
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