研究課題/領域番号 |
60470107
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小高 忠男 阪大, 理学部, 教授 (20027022)
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研究分担者 |
渡辺 宏 大阪大学, 理学部, 教務職員 (90167164)
足立 桂一郎 大阪大学, 理学部, 助手 (00028226)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 粘弾性 / 誘電緩和 / 誘電基準モード過程 / 緩和時間 / ホモポリマーブレンド / ブロックポリマー / 星型鎖 / 直鎖ブレンド / からみ合い効果 / 高分子網目 / 架橋高分子 |
研究概要 |
高分子集合体の物理的性質を支配している基本的な要因である鎖状分子のからみ合い効果を解明するために、1)分子量の異なる単分散直鎖ポリマーのブレンド、2)ブロックポリマーミセルをホモポリマーマトリックス中に分散した系、3)直鎖/星型鎖、4)高分子網目中のダングリング鎖、あるいは、5)網目中にトラップされた直鎖の系などを調製し、これらトポロジー的に異なる成分を含む高分子凝集系の示す緩和挙動を、粘弾性および誘電スペクトロスコピーの方法を用いて研究した。すなわち、成分の一方、例えば、1)では高分子量成分、3)では星型鎖成分、また、4)では取込まれた自由鎖をプローブ鎖と見なし、その緩和時間と分布が、もう一方の成分の分子量、および、系の組成等にどのようにして依存しているかを観測し、その結果を解析・評価した。プローブ鎖の緩和挙動は、プローブ鎖自身の運動の特性時間とプローブ鎖をからみ合いによって拘束している周囲の鎖の運動の特性時間の大小関係によって決まる。このような実験によって、通常の条件ではあらわに見ることの出来ないプローブ鎖の緩和の素過程-からみ合いの分子論の1つである管模型の言葉で言うと、reptation,tube renewal,path breathingなどのモード-に分離出来、このような種々の素過程がどのような条件下で発現するかが分かる。従って、プローブ鎖の緩和過程が周囲からの拘束の度合にどのように依存しているかを分子論的な立場から解釈することが出来、高分子凝集系における高分子鎖のダイナミックスの基本問題である"からみ合い効果"に関する知見を得ることが出来た。これらの知見は、応用面では、高分子材料の設計、成型・加工の問題、例えば、ゴムラテックスを他のポリマー中に分散して作るインパクトプラスチックスの相構造の設計、ポリエチレンのような分岐を持つ高分子材料の成型・加工性を記述するモデル系として重要な知見を与えるであろう。
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