研究概要 |
ボールミル, 振動ボールミル, 遊星ミル, 撹拌ミルという4種の媒体粉砕機を用い, 機械的粉砕方式によるセラミックス原料のサブミクロン粒子製造の可能性について検討を加えた. 特に重点を粉砕限界粒度分布の存在の確認と, その決定因子の解明におき, またそのような微粉砕に伴う諸現象についても考察を加えた. その結果得られた主要な知見は以下のとおりである. (1) 珪砂のボールミル粉砕で, 明瞭な逆粉砕現象がみられ, この粒径増大と粒径減少の平〓関係として限界粒度分布が決まることが見出された. (2) 逆粉砕においては, 強い力を加えれば壊れる程度の凝集粒子が形成されており, この凝集体は粉砕の進行と共により緻密化し成長している. そして媒体が重いほど凝集体形成の傾向は強まり従って限界粒度は粗くなる. (3) 遊星ミル粉砕は, 高い遠心力にる圧縮力と媒体群のサージング運動に伴う剪断摩擦作用によって進められることが明らかになった. そしてこの場合にもコーティング作用, 粒子凝集現象によって限界粒度分布が決まるが, 粉砕機構の違いによってその限界値ボールミルに比べると大幅に微粉側に移行する. また媒体を小さくすることによる微粉化傾向はより顕著にあらわれる. (4) 撹拌ミルの微粉砕機としての性能を検討し, ボールミルより微粉生成にすぐれているが, やはりコーティング現象が重要でその解決のため粉砕助剤添加が有効であること, しかしその場合摩耗増加に注意する必要があることを見出した. (5) 湿式振動ミルを用いた珪砂粉砕の実験で鉄分の摩耗量の生成比表面積の間に比較的単純な関係を見出すとともに, この摩耗現象が水素ガスの発生を伴う事をも見出し, 微粉砕域でのこれら関連現象につき考察を加えた.
|