研究課題/領域番号 |
60470141
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀口 雅昭 東北大, 農学部, 教授 (20011869)
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研究分担者 |
堀金 彰 東北大学, 農学部, 助手 (10143025)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | C-P化合物 / ホスホノピルビン酸 / 反芻胃プロトゾア / テトラヒメナ / 酵素化学 / ホスホエノールピルビン酸ホスホムターゼ |
研究概要 |
1.反芻動物に特徴的な代謝において、反芻胃プロトゾアが演じている役割を明らかにするため、プロトゾア体内で3-ホスホノピルビン酸(PnPY)の合成を触媒していると推測される酵素の性質とクロマトグラフィー的な挙動を研究した。 2.遊離形のPnPYを検出,定量するのは難しいので、その2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンを逆相カラムで分離し、377nmで検出,定量した。0.1nmalのPnPYを定量することができた。 3.反芻胃プロトゾアの近縁種・テトラヒメナの対数生育期細胞を用いた前実験により、PnPY合成の酵素活性は、細胞の可溶性画分に局在し、活性の維持には【Mg^(2+)】イオンと耐熱性補助因子が必要であることが明らかになった。粗酵素のpH-活性曲線はベル状で、pH8.0附近で最大活性を示した。 4.めん羊の反芻胃から混合プロトゾアを集め、テトラヒメナの処理法に準じてその細胞を分画した。PnPY合成酵素は可溶性画分に局在したが、その活性はテトラヒメナに比して極めて低かった。しかし、可溶性画分をゲル濾過カラムで分画すると、活性は著増し、テトラヒメナの活性を凌駕した。この画分中の粗酵素活性はpH7.2附近で最高値を示した。ゲル濾過で推定した分子量は約70Kダルトンであった。 5.イオン交換クロマトグラフィーの結果により、反芻胃プロトゾアおよびテトラヒメナの酵素は、いずれも塩基性タンパク質であることが示唆された。 6.生体物質としてのPnPYの存在は本研究によりはじめて確かめられた。これらの結果は、すべてホスホエノールピルビン酸の分子内転移によるPnPY合成機作と一致している。しかし、PnPYがこの機作で合成されるという証拠は、この新しい酵素ホスホエノールピルビン酸ホスホムターゼが単離されてはじめて得られると考えられる。
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