研究課題/領域番号 |
60470156
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松原 央 阪大, 理学部, 教授 (00028242)
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研究分担者 |
月原 冨武 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00032277)
高橋 康弘 大阪大学, 理学部, 教務員 (10154874)
長谷 俊治 大阪大学, 理学部, 助手 (00127276)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | チトクロム【C_1】 / Hinge蛋白質 / 自動酸化能 / 遺伝子操作 / C末端領域欠失 / 配位子 / FNR / Fe-Sフラスター形成 |
研究概要 |
ウシ心筋ミトコンドリアのチトクロム【C_1】サブコンプレックスを3当量のpCMBが結合する條件下で、SH基の修飾を行うと、構成する2つのサブユニット(Hinge蛋白質とヘムサブユニット)はゲル濾過では分離せず、電気泳動でのみ解離する。この解離に伴って【C_1】ヘムサブユニットの自動酸化能が出現増大し、チトクロムCへの電子伝達が阻害される。これはHinge蛋白質が【C_1】とCの複合体形成に必須であるのみならず、ヘムサブユニットの自動酸化能抑止にも寄与していることを示している。また、ヘムサブユニットはHinge蛋白質がないと凝集するらしい。pCMBは両サブユニットの疎水性会合面に存在するSH基に導入され、疎水領域を親水領域にすることによって両サブユニットを解離させるものと推察された。一方、酵母チトクロム【C_1】の遺伝子を組換え技術を導入することによって、変異遺伝子をもった酵母の成育能,【C_1】の発現,そして【C_1】のスペククトルに及ぼす影響を調べたところ以下のことが判明した。【C_1】のC末端17残基はミトコンドリア内膜〜の組み込みや電子伝達能、および成育能に何ら影響を及ぼさないこと、C末端の70残基を失ったものはもはやミトコンドリア内膜への組み込まれ方や、発現,呼吸能に支障を来たしていること、などである。このことはウシ【C_1】の構造を決定した際、ある程度の矛測は可能であったが、それを具体的に示しえたし、分子の人工変異に伴う機能的変化の研究に一歩前進しえたものといえる。その他、【C_1】ヘムへの配位子がヒスチジンとメチオニンであること、【C_1】サブコンプレックスが結晶構造解析できそうなこと、17KD蛋白質欠損株の作成が可能なこと、スピルリナ・フェレドキシン【NADP^+】還元酵素(FNR)の結晶化とSH基の存在状態を明らかにしたこと、フェレドキシンFe-Sクラスター合成酵素の存在すること、ウシ心筋サクシネート脱水素酵素鉄蛋白の構造決定を完了したことなどがある。
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