配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
1.D-アミノ酸の定量法 ハブ毒のL-アミノ酸酸化酵素の特性を利用し, 広範囲のD-アミノ酸を精度よく定量する方法を確立した. この方法は微量の試料に通用でき, 特に部分ラセミ体の場合に有効である. 2.ホウビシダ類における2-アミノピメリン酸と関連アミノ酸の光学異性の多様性 ホウビシダには2-アミノピメリン酸(I), 2-アミノー3, 4-デヒドロピメリン酸(II), および2-アミノー4-ヒドロキシピメリン酸(III)が含まれており, 立体配置はそれぞれ, D, D, Lであった. 類縁種のヒノキシダにはIとIIIがあり, 立体配置はホウビシダの場合と同様であったが, 同じくアオガネシダの場合はIのみが部分ラセミ体となっており, LとDの比率は7月に採集した試料で6:4, 11月のものでは3:7であった. 3.2-アミノピメリン酸と関連アミノ酸の生合成 ^<14>Cでラベルした各種の化合物をホウビシダの根茎に与える実験をおこない, 放射能のとり込みの度合と順序を, 根茎における各種のアミノ酸プールサイズを考慮に入れて検討し, I, II, IIIのうち最初につくられるのはIIIであり, IとIIはIIIから派生的に生合成されると推論した. 4.ホウビシダ類の分類と系統 従来ホウビシダと呼ばれていたものには少くとも分布と生殖様式の点で多型があることが知られてきた. そこでD-アミノ酸の分布, 形態学的性質, および生態学的特徴を検討し, 従来のホウビシダを4種に分け, うち2種を新種として設立した. さらにこのうちの1新種は他の3種と, 系統的にかなり遠い起源をもつことが示唆された.
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