配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
研究概要 |
我々は, これまでに, アグロバクテリウムが植物に感染すると, バクテリア内でTiプラスミドからT-DNAが切り出され, 環状化することを見出した. さらに, この環状化反応は, 植物から由来する物質により誘導されること, Tiプラスミド上のvir遺伝子群が必要であることを示した. また, 双子葉植物だけでなく, 単子葉植物にも, T-DNAの切り出しを誘導する物質が存在するかどうかを検討した. その結果, 単子葉植物には, 双子葉植物とは異なる新しいタイプの誘導物質が存在することが明らかになった. 現在, その物質の精製を進めている. この物質は精製の途中で二つの画分に分かれ, vir遺伝子の発現誘導には両者が必要であることがわかった. また, T-DNAの切り出しに関与しているvir遺伝子を探索し, 切り出しに直接かかわっているものはvirD遺伝子であることを見い出した. さらに, 本年度の研究によりvirDの4つのopen reading frame,D1,D2,D3,D4のうち, T-DNAの切り出しにはD1とD2が同時に必要であることを示した. また, T-DNAの切り出し反応にはアグロバクテリウムのRNAポリメラーゼがvirDタンパク質と拮抗することにより負の調節因子として働いていことが明らかになった. 以上の研究を行うために, 予定通りフラクションコレクターを購入した. また, ほぼ予定通り, 試薬, 放射性同位元素等の消耗品を購入した.
|