研究課題/領域番号 |
60480012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柴岡 弘郎 阪大, 理学部, 教授 (60087054)
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研究分担者 |
福田 裕穂 大阪大学, 理学部, 助手 (10165293)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 微小管 / チューブリン / ジベレリン / 低温 / 細胞壁 / 矮性エンドウ / タバコ培養細胞 / ヒャクニチソウ |
研究概要 |
1.矮性エンドウの茎の細胞の微小管の配向及び低温安定性に対するジベレリンの働きについて調べ、ジベレリンが微小管を軸と直角方向に並ばせること、微小管の低温安定性を低下させることを見いだした。また、微小管の配向と低温安定性との関係について調べ、軸と平行に並んでいる微小管は低温に対して安定であるが、軸と直角に並んでいる微小管は不安定であり、ジベレリンが微小管の低温安定性を低下させるのは、ジベレリン処理により低温に安定な軸と平行な微小管が減少し、低温に不安定な軸と直角な微小管が増加することに関係していることを明らかにした。 2.タバコ培養細胞"BY-2"の微小管の低温安定性について調べた。細胞全体を低温処理した場合、微小管はほとんど破壊されないのに対し、タバコ細胞から単離したチューブリンをin vitroで重合させた微小管は低温に不安定で、急速に破壊された。また、細胞から細胞壁を取り除いたプロトプラストでは、微小管は低温に対して不安定であったが、プロトプラストを培養し、細胞壁を再生させると、微小管は低温に対し安定になった。これらの結果は、細胞内の微小管の安定化に、細胞壁が重要な役割を果していることを示している。低低温に不安定な微小管をもつプロトプラストの外液に様々な物質を加え、微小管安定化効果を調べたところ、ポリリジンとスペルミンが生理的なpHで微小管安定化作用をもつことがわかり、細胞壁中の多価カチオンが微小管安定化作用に関連しているものと推側された。 3.微小管安天性と、細胞内チューブリンの代謝回転との関連を調べる目的で、高感度のチューブリン定量法,チューブリン合成活性及び分解活性の測定法を開発した。これらの方法により、ヒャクニチソウの仮道管細胞分化過程で、チューブリンの分解活性が微小管の安定性に依存して変動することが明らかになった。
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