研究概要 |
初年度(60年度)の決定通知の遅れは研究進行の過程でとり戻せると考えていたが, 途中で新しい研究材料(新種の血液サンプル)追加や新しい分析方法(ミトコンドリアDNAの制限酵素による切断多型分析)の導入などを行ったため, 当該年度(62年度)のまとめのところでも記述したように, 現在のところまだ目的の30種, 7属2亜科からなるオナガザル科サル6,200個体について40座位の遺伝子型の決定に至らず作業を続行中である. 最終的にはこの作業は約半年遅れる予定である. その後順次地域集団, 亜種, 種, 亜属, 属, 亜科の順次に大型電子計算機に入力し, それぞれの集団内の遺伝的変異性を平均ヘテロ接合率(〓)で, それぞれの集団間の遺伝的分化量をNe1の遺伝距離で定量したのちデンドログラムを書き遺伝的系統分化図を作成する. また一方ミトコンドリアDNAの多型を標識としても系統分化図を作成し, 血液蛋白変異から作成したものと比較検討を行う. また注目される系統分岐点ではHennigian analysisの方法を考慮してより正確な遺伝的系統分化図の作成を目指す.
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