研究概要 |
1.回転円板法(円板材質はポリエチレン使用)による都市下水に対するメタン発酵の水温, 水理学的滞留時間とTOC除去率の関係, 本下水の水質はTOCが25〜70mg/l, BODが50〜140mg/l, PHは6.4〜7.2である. (1)水温35°CでHRT3時間にてTOC80%, 6時間で90%除去, (3)水温30°CでHRT3時間にてTOC73%, 6時間で85%除去, (3)水温20°Cでは3時間で55%, 6時間で75%の除去率を得る. 2.メタン発酵の総括拡散係数Dw(m^2/hr)は35°Cで1.9×10^<-6>, 20°Cで1.1×10^<-6>, TOC除去速度R(g/m^3hr)は35°Cで3.3×10^3, 20°Cで3.2×10^3である. 3.物質移動係数Kd(m/hr)は35°Cで9.9×10^<-3>, 20°Cで5.8×10^<-3>である. 4.円板上付着生育メタン菌は2連, 4連および8連球菌が優占種である. 5.硝化, 脱室はHRT6時間で95%, 鉄板製の円板体を用いて脱リンは80%可能である. 6.小型実験装置によって円板材質ポリエチレンとセラミック円板(細孔径:50, 100, 200, 400μM)5種類でTOC除去率比較実験の結果, 細孔径200, 400μMが高効率であり, ポリエチレン円板体の約2倍の効率を得る. 1987年10月に中型実験装置にセラミック円板体を取り付け, 無加温処理を行っているが水温18°Cで約5mg/lのTOC処理水を得ている. この実験は今後1年間継続する予定である. 7.好気性回転円板での物質移動促進のため円板表面に突起を付設すると外部渦が生じ, また移流による促進をも明らかにした. 8.好気性円板上での硝化, 脱室同時反応の実験で生物膜厚は有機物質負荷4.3g/m^2dで640μM, 2.1g/m^2dで380μMとなり, 大気圧状態での低水温時に20〜40%の同時脱室率が得られる. また気相酸素分圧の制御によって同時脱室率を高めることができる.
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