配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
61年度に計画した3課題については, ほぼ満足すべき結果を得たが,ここでは, これらのうち,特に進展があった課題(61年度計画書に示した第2課題)について報告する. 1 ロックウールを用いた水耕法の開発:1辺10cmの立方形ロックウールを無底ポット(10.5×10.5×10cm)に装填し,水耕液を用いて水稲およびトウモロコシの栽培を行った.水耕液をロックウール中に浸透させるため,ポットの底面を水耕液面に接するように固定した. 水稲栽培には, 木村氏B液をpH5前後にして用いたが,生育は登熟に至るまで良好であった, また,トウモロコシ栽培では,木村氏A液に塩化マンガンを50ppm加え,pH5.5に調節した水耕液を用いた. 水耕液にエアレーションを行なうとともに,ロックウールを水耕液面から5cm程度離して栽培すると生育は良好であり,結実・登熟に至った. この栽培方式では, 根系に種々の処理を容易に行なえるため,地下部環境の変化に伴なう地上部機能(光合成・蒸散)の反応を解析するモデル実験を行なう場合では利用価値が高いと考えられる. 2.根系の生育条件が水稲品種;コシヒカリおよび水原258号の光合成・蒸散速度に及ぼす影響:ロックウールを用いて,水稲2品種を栽培し,剪葉・断根および根部の乾燥処理を行なった. 両品種の蒸散速度は, L/R(葉重/根重)比が高くなると減少したが,光合成速度はL/R比が約3.0で最大を示した. 光合成・蒸散速度は, 多収稲の水原258号で低い値が示された. しかし,根部乾燥処理後の再給水にともなう両機能の回復速度は, 水原258号において優れており,本品種は, 水条件の変化に対して安定した生産体制を維持する特性を示した.
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