研究課題/領域番号 |
60480040
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 怜之輔 岡山大, 農学部, 教授 (70021053)
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研究分担者 |
久保 康隆 岡山大学, 農学部, 助手 (80167387)
稲葉 昭次 岡山大学, 農学部, 教授 (90046491)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 青果物の輸送 / 予冷 / 呼吸生理 |
研究概要 |
60年及び61年の2年間にわたり、真空予冷されたホウレンソウについて、4回のトラック輸送を行い、温度変化の実態を追跡調査した。その結果を踏えて、室内シミュレーションによって急激な温度上昇に対する青果物の生理的反応を、自作のコンピュータ制御自動呼吸計測装置で連続的に調査した。これらの結果から、青果物の生理に基づいた常温流通下での予冷技術のあり方について考察し、発展方向について提言した。 1.予冷後常温輸送中の温度変化の実態調査 無保冷で常温輸送した場合、低温予冷区(約5℃),中温予冷区(約15℃)のいずれも輸送中に急速な温度上昇が認められ、翌朝セリの時点には気温にまで達した。発泡スチロール箱を使っても、温度上昇は防ぐことはできなかった。一方、フォームラバーで包んだ簡単な保冷コンテナで、よく10℃以下の低温が保たれた。以後の鮮度は、低温,中温で差はみられなかった。 2.急激な温度上昇に伴う呼吸活性の変化(室内シミュレーション) 急激な温度上昇に伴って、炭酸ガス排出量及び酸素吸収量の両面で一時的過上昇を示したのち減少して一定値に収束することが明らかになり、呼吸生理に一時的撹乱が生じていることが示唆された。この過上昇は、昇温速度が速いほど大きくなり、昇温幅との関係では10℃昇温ではほとんど認められなかった。青果物の種類によっても、過上昇の様相は若干異なってきた。 3.青果物の生理からみた常温流通下での予冷技術のあり方についての考察 (1)予冷を行う以上、その後の保冷は必須条件である。(2)予冷後の昇温が大きいと予想される場合には、5℃といった低温での予冷はかならずしも必要ではない。(3)昇温幅は10℃以下に抑えるように工夫する必要がある。(4)予冷温度はその後の輸送条件との関係で決定されるべきものである。なお、今後過上昇の機構解明が必要である。
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