配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
1.線虫捕捉菌Arthrobotrys ellipsospora Y4007の生産するレクチンの精製と性質, 菌体内および培養〓液よりそれぞれのレクチンを硫安90%飽和沈でん, フェッインをリガンドとするアフィニティ・クロマト法で精製した. この菌体外レクチンの抗体をウサギを用いて調製し,この抗体との反応性を二重拡散法にてしらべ, 細胞内外ともに同一のレクチンであることを確認した. 本レクチンは, 分子量55,000でサブユニットの分子量は14,500であり,おそらく4量体である. 要求糖鎖はシアル酸を含む動物起源の多糖;線虫抽出流とよく反応するが, 単糖とは全く反応しない. 2.レクチンのモノクロナル抗体の調製 マウス脾細胞より抗体生産株を細胞融合法によりクローン化し, ELISA法で活性のあるクローンをクローニングして6種のモノクロナル抗体を得た. 3.蛍光抗体法を用いたレクチンの検出 FITCで標識した二次抗体を用いる間接蛍光抗体法により菌糸上のレクチンの検出をこころみた. 菌糸全体に蛍光が認められたが, 捕捉部位の蛍光が強かった. モノクロナル抗体を用いて同上の蛍光抗体法により良好な写真を得た. 線虫には蛍光が全くない. 4.レクチンのモノクロナル抗体による線虫の捕捉の阻止 ウサギより得たレクチンの抗体を菌〓に添加すると線虫の捕捉は100%阻止され, 同様な結果をモノクロナル抗体にても得た. また線虫の体皮の抗体の反応性より線虫の体表にレクチン・レセプターの存在することを確認した. 5.捕捉に関与する物質 菌糸体を染色し, 線虫を捕捉する部位に酸性多糖を検出した. この部位にマイクロビーズもよく接着することからこの多糖は粘性多糖であろうと推定した. 従って本捕捉菌は多くの土壌線虫を非特異的に捕捉することができる. たゞし, レクチンの関与と粘性多糖との関係は解明されなかった.
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