配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
|
研究概要 |
本研究課題下にコイ, ニジマスおよびマダイの洗浄栓球画分におけるプロスタグランジン(PG)合成能を検討するとともに, 全血凝集能測定装置を用いて各種凝集惹起物質による栓球凝集能についても測定した. しかし, 栓球凝集能の測定用に1mlを必要とするために凝集惹起物質の種類とその濃度について, 広範囲に, しかも同時に検討できない点が問題点として残されていた. そこで魚類の洗浄栓球浮遊液を用い, 各種凝集惹起物質による栓球凝集能を顕微鏡下で観察する方法によって測定した. 供試魚としてコイ, ニジマスおよびマダイを用い, 採血後, 血液1mlよりFicoll-Hypaque溶液を用いて多栓球血漿を分離し, 洗浄して洗浄栓球浮遊液を調整した. 凝集惹起物質としてアラキドン酸(AA), エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)のNa塩溶液, ADP, コラーゲン, トロンヒン, イオノフォアA_<23187>, 血小板活性化因子(PAF), PGF_<2α>, PGE_2およびPGD_2標品の段階希釈液を調整し, FALCON Assay Plate(96wells)の各wellへそれぞれ25μlずつ添加した後, 各wellへ洗浄栓球浮遊液を25μlずつ加え, 15秒間インキュベートした後, 3μlをスライドグラスに取り, カバーグラスをのせて位相差顕微鏡下(×200)で栓球の凝集の有無を観察した. コラーゲン, トロンビンおよびイオノフォアA_<23187>を添加した場合, 3魚種とも栓球の凝集塊が認められた. AA添加の場合はニジマスおよびマダイ栓球において凝集塊が観察されたが, EPAおよびDHA添加の場合には3魚種とも栓球の凝集塊は認められなかった. PG類添加の場合, マダイ栓球においてはPGE_2添加により凝集塊を生じたが, PGF_<2α>およびPGD_2添加においては凝集塊が認められなかった. 一方, コイおよびニジマス栓球ではいずれのPG類を添加した場合でも, 凝集塊は観察されなかった. さらにヒト血小板の凝集能とこれら淡・海水産魚3魚種の栓球凝集能の相違をPG合成能から比較検討した.
|