研究課題/領域番号 |
60480095
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝昭 宮崎大, 農学部, 助教授 (70136795)
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研究分担者 |
小川 博之 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30012016)
村上 隆之 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00040981)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肺疾患 / オータコイド / 内皮傷害 / プロスタグランジン / アンギオテンシン / 内皮由来血管弛緩因子 / 代謝 / モノクロタリン |
研究概要 |
肺疾患の際に肺血管内皮細胞がもつオータコイド代謝の機能がどのように変化して、いかなる二次的病態を引き起こすかを主にモノクロタリンで実験的に肺動脈炎を起こしたラットで検討した。 ラットにモノクロタリンを一回皮下注射すると、3〜5週後に肺動脈内皮を中心に傷害が認められた。外因性オータコイドに対する血圧反応から、アンギオテンシンの変換やブラジキニンの分解は肺傷害で影響を受けにくいのに対して、プロスタグランジン(PG)の代謝は抑制されることが示された。モノクロタリンを投与したラットから摘出した肺動脈標本の薬物反応性を検討すると、アンギオテンシンの変換は血管内皮の傷害で影響を受けず、これはアンギオテンシン変換酵素が内皮以外にも存在するためであると考えられた。一方、血管内皮からの内皮由来血管弛緩因子(EDRF)の遊離はモノクロタリン投与や機械的内皮除去で抑制されたので、肺疾患の際にはEDRF産生低下により肺高血圧などを招き、肺疾患自体が悪化する可能性が示唆された。また、【PGF_(2α)】による収縮は内皮傷害で増強され、これは内皮細胞でのPG分解抑制によることが示された。従って、肺疾患時には肺でのPG分解が低下して、PGが動脈系に流出して、血行動態や水・電解質代謝が変化する可能性が示唆された。 以上、ラットより得られた血管内皮に関連する機能はウシやイヌの肺動脈でも同じように認められたので、ラットの病態モデルでの結果はこれら動物にも外挿できると考えられ、今後人医および獣医臨床においてこれら知見に基づいて新しい治療方法が考慮されるべきであると考えられる。
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