研究分担者 |
森本 修充 九州大学, 医学部・神経精神医学教室, 助手 (60166436)
森岡 宏行 京都府立医科大学, 中央電顕室, 助手 (50079951)
岡村 均 京都府立医科大学, 第二解剖学教室, 講師 (60158813)
福居 顕二 京都府立医科大学, 精神医学教室, 講師 (50165263)
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研究概要 |
研究実績の内容 3ケ年の研究目的としては視床下部, 特に室傍核, 視交叉上核, 弓状核に分布するペプチドニューロンの分布やその微細構造について光顕及び電顕免疫細胞化学的に検索すると共に視交叉上核については網膜からの繊維投射の遮断による視交叉上核内ニューロンの変化, 視交叉上核内ニューロン活動の24時間リズムの有無などについて形態学的手法により研究し以下のような結果を得た. 1.室傍核については1)イヌの室傍核大細胞領域に分布するVIP/PHIニューロンはバゾプレシンを共存しており, それらのニューロンは下垂体後葉へ投射することが明らかとなった. 2)視床下部にオピオイドペプチドを含むニューロンも多数分布しているが, そのうちproenkephalin Aの特異的マーカーである〔Met〕-enkephalin-Arg-Gly-Leuに対する抗血清を用い検索した結果, 免疫陽性ニューロンは室傍核においては小細胞性領域と大細胞性領域尾側に分布し正中隆起外層へ投射することが示唆された. 2.視交叉上核については, 1)網膜からの繊維投射は視交叉上核の腹側部に分布するVIPニューロンの細胞体や樹状突起にシナプスを形成していることが眼球摘出による変性法と電顕免疫細胞化学法により明らかとなった. 2)眼球摘出によりVIPニューロン特にその繊維や終末の免疫反応が増強することが明らかとなり, 網膜からのVIPニューロンへの入力はcircadian entrainmentに関与することが示唆された. 3.弓状核については, 1)下垂体前葉成長ホルモン(GH)放出因子(GRF)ニューロンの細胞体の微細構造及び正中隆起に分布する終末の微細構造を明らかにした. 2)このGRFニューロンはドーパミンを共存している事実も免疫細胞化学的に明らかにされた.
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