研究課題/領域番号 |
60480110
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
今井 雄介 阪医大, 医学部, 教授 (20079693)
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研究分担者 |
中張 隆司 大阪医大, 医, 助手 (20189020)
宮本 学 大阪医大, 医, 助手 (80157685)
吉田 秀世 大阪医大, 医, 助手 (40085064)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1985年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 腺分泌 / 回路網熱力学 / 上皮膜輸送の回路モデル / 膜輸送シミュレーション / 電気浸透 / 生体システム論 / 水輸送 / 動電現象 / 生体インピーダンス法 |
研究概要 |
外分泌腺上皮膜での分泌現象は高度に組織化されていて、その理解には分析的・実験的研究と統合的・システム論的研究が同時に必要となる。今回の研究は、理論的な回路網熱力学を改善拡張して膜輸送システムのモデル化する手段を確立すること,それを腺分泌システムに適用し回路モデルとして理解することを第一の目的とし,第二の目的としては、このモデルを用いてコンピュータシュミレーションを行い水分の膜輸送の挙動について予測を行い、その予測を実験的に検証することとした。成果は次のように要約できる。 (1)発展途上にある回路網熱力学を膜輸送システムのモデル化に適用するためには、理論面で解決しなければならない幾つかの不備があった。今回の理論的研究はパワー連結の基礎理論を完成させ、膜輸送のモデル合成を可能とした。 (2)上皮膜輸送システムのモデルを合成し、そのコンピュータシミュレーションを行い、そこで電気浸透といった水輸送が大きな役割を持つことを予測することができた。 (3)イヌ顎下腺の経上皮的水分輸送を実験的な組織インピーダンス測定、組織学的検索により調べて、組織液が腺腟に輸送されるとき、小葉間間隙にあった組織液が用いられることを明らかにすることができた。 (4)カエルの皮膚・胃粘膜・舌粘膜等の上皮膜において、電気浸透や流動電位といった動電現象が現われることを実験的に証明することができた。 以上の成果は理論的研究が実験的研究と相い補うことにより発展することを示すものである。ことに膜輸送システムの回路モデルを合成し、それから導出される連立常微分方程式を用いて、数値計算による経時変化のシミュレーションをするとき、単に理解が進むだけのものでなく新しい予測が生れる。これの実験的検証は発見をもたらす。
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