研究課題/領域番号 |
60480119
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 滋夫 名大, 環境医学研究所, 助教授 (00023656)
|
研究分担者 |
臼井 支朗 豊橋技術科学大学, 情報工学, 教授 (40023337)
高林 彰 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00126872)
渡辺 悟 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00021361)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | スペースシャトル / 無重力 / 放物線飛行 / 姿勢制御 / 視覚-前庭干渉 / 鯉 / 背光反射 / 小脳脳波 |
研究概要 |
本研究は、我が国のスペースシャトル実験計画(チャレンジャー事故のため昭和66年に延期)の一課題として採択されている魚を用いた宇宙酔いの基礎的研究の予備実験として、小型航空機(三菱MU-300)の放物線飛行で得られる無重力下の鯉の背光反射行動と小脳活動変化を特徴づけることを目的とした。航空機利用の放物線飛行実験は、これが本邦最初の試みであったため、技術的検討を含め、研究を2年計画とした。その結果を以下に要約する。 1.双発ジェットエンジン塔載機では、0.05G以下の微小重力状態を約20秒間持続できる。これは単発機(セスナ機相当)の約8秒間に比べ十分長く、宇宙実験に対する地上予備実験として有用であることが明らかとなった。 2.0.05Gの微小重力は、鯉の重力センサーである耳石器からの入力を無効とし、光のみによる姿勢制御を可能にすることが確認できた。すなわち、視覚-前庭干渉の一表現としての背光反射行動は撹乱を受け、光追従速度も著しく速くなった。宇宙実験では、この感覚混乱がその後の無重力適応獲得とともに変化する様子を観察する。 3.放物線飛行中の小脳脳波をパワースペクトル解析し、微小重力下で8Hz以下、12-25Hz成分にパワの増大を認めた。宇宙実験では、このような小脳脳波変化の回復過程を経時的に観察し、行動変化と対応させる。 4.宇宙実験では、前庭摘出鯉の行動、小脳脳波を対照として正常鯉の変化を追跡する。今回の航空機実験においても、両種の被験体について観察を実施したが、正常鯉では異常スパイク状波の重畳が解析を困難にし、前庭摘出鯉ではTVカメラの不調のため、両者の比較が不十分となった。再度の航空機実験の機会が強く望まれる。
|