研究課題/領域番号 |
60480121
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岸 恭一 徳島大, 医学部, 教授 (80035435)
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研究分担者 |
志塚 ふじ子 徳島大学, 医学部, 助手 (60170875)
山本 茂 徳島大学, 医学部, 助教授 (70093896)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 食欲 / 蛋白質 / 肝 |
研究概要 |
以前に我々は、ラットに蛋白質とエネルギーの摂取量を自由に選ばせる選択摂食法を用いて、ラットがエネルギーのみならず蛋白質の摂取量をも調節していることを明らかにした。そこで、蛋白質摂取調節機序を追究するため、代謝の中心臓器であり、また種々の受容器が存在していると考えられている肝の関与について調べた。門脈・下大静脈吻合ラット(以下PCA)に5%および60%蛋白質食を自由に摂取させて3〜5週間飼育した。蛋白質源としてカゼインと小麦グルテンを用いた。対照ラットには開腹術のみ施した。 1.カゼイン:PCAのエネルギー摂取量は対照と差はなく、同じ成長を示したが、蛋白質摂取量は対照の8.0g/日に対し4.7g/日と少なかった。 2.小麦グルテン:PCAのエネルギー摂取量は対照よりわずかに低値であったが、蛋白質摂取量は対照の20%と非常に減少した。そのため成長は明らかに劣っていた。この結果は、劣質蛋白質を与えられた場合正常ラットは蛋白質摂取量を増加させて良好な成長を維持するという我々の以前の成績と対照的である。これはPCAが過剰の食餌性窒素を処理できないためであると考えられる。そこで次に絶食後の摂取量について調べた。 3.絶食PCAのカゼイン摂取量は対照と全く差がなくなった。しかし、 4.絶食PCAのグルテン摂取量は、絶食前よりは増加したが、対照の25%に過ぎず、低値のままであった。このように、良質蛋白質の場合は絶食により蛋白質摂取量は正常に回復したが、劣質蛋白質ではわずかな増加しか見られなかった。体内の尿素やアンモニアが蛋白質摂取量を制限している可能性がある。そこで、 5.食餌中に尿素を添加したがPCAの蛋白質およびエネルギー摂取量は影響されなかった。しかし、 6.アンモニアを加えると、PCAの蛋白質摂取量は変化しなかったが、エネルギー摂取量は減少した。また、 7.分岐鎖アミノ酸の添加は効果がなかった。
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