研究分担者 |
石橋 隆治 新潟大学, 医学部, 助手 (60184561)
吉田 豊 新潟大学, 医学部, 助手 (40182795)
仲澤 幹雄 新潟大学, 医学部, 講師 (80143759)
松田 博人 新潟大学, 医学部, 講師
MATSUDA Hiroto Niigata University
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
1)虚血早期の細胞内PH低下に対する内因性カテコールアミン(CA)の関与 虚血早期の細胞内PH低下に対する内因性CAの関与についてラットの摘出心潅流標本にイソプロテレノールやβ遮断薬(propranolol, pindolol, celiprolol), 6-OH dopamine, reserpineを投与し^<31>P-NMRによる検討を試みた所, propranololでPH低下の抑制がみとめられたが(高用量のpindololでもその傾向あり), 抑制は虚血導入前の心筋エネルギー消費の抑制と密接に相関して居り, 内因性CAが虚血早期の細胞内PHの低下に関与するという考えは支持されなかった. 2)長期間虚血による心筋エネルギー代謝の変化 ^<31>P-NMRにより3時間という長い虚血の間に起こる心筋エネルギー代謝の変化について検討した所, 虚血90分頃から細胞内PHの酸性化により右方高磁場側に移動した細胞内無機リンのピークの低磁場側, 即ちアルカリ側に新しい無機リンのピークが出現する事がわかった. 虚血が長くなると細胞内無機リンのピークが次第に小さくなるのに呼応してこのピークは次第に大きくなった. これは虚血の進展とともにプロトンに関して細胞外液との間に平衡が成立するような細胞が次第に増加している事を示す所見である. 3)虚血による細胞内Naの変化-^<23>Na-NMRによる検討 細胞外Naのピークをシフト試薬を用いてシフトさせると, 虚血導入後比較的早い時期から細胞内Naのピークが出現し, 虚血の時間が長びくと共に2段階的に次第に大きくなって行く事がわかった. 第1段の増加はPH低下と対応して居り蓄積したプロトンをNa-H交換機構で汲み出した結果起きるもので生体の適応を表わすものと考えられたが, 第2段は心室拡張期圧の上昇, ATPの涸渇, 無機リンの顕著な増加と対応して居り不可逆的障害の始まりを示す変化と考えられた.
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