研究課題/領域番号 |
60480135
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大和谷 厚 阪大, 医学部, 助教授 (30116123)
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研究分担者 |
東 均 大阪大学, 医学部, 助手 (10175870)
福井 裕行 大阪大学, 医学部, 助教授 (90112052)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 脳内ヒスタミン / 神経内分泌 / CRF-ACTH-コルチコステロン系 / バソプレッシン / 視床下部-下垂体 / α-フルオロメチルヒスチジン |
研究概要 |
ヒスタミンが中枢神経系において神経刺激伝達物質もしくは神経刺激調節物質として機能している可能性が注目されている。われわれの研究室では、免疫組織学的方法により、ヒスタミン作動性神経の細胞体が視床下部後部・乳頭体の限局した部位に存在し、広い部位に神経線維を投射していることを示した。特に、視床下部前部の神経核には密な投射が認められ、この分布から脳内ヒスタミンは神経内分泌系の制御に深く関与していることが予想される。本研究ではこの系に焦点を絞って、各種生理的条件下での視床下部ヒスタミンの動態、脳内ヒスタミンをその特異的合成阻害薬、α-フルオロメチルヒスチジン(FMH)で涸渇させた時の血中ホルモンの変動を中心に、神経内分泌機構におけるヒスタミンの役割を検討し、以下のような結果を得た。 (1)ラット脳内ヒスタミンは後部視床下部において、明期に低く暗期に上昇するヒスタミン含量の概日リズムが認めら、FMHを投与しこの変動を消失させておくと、血中コルチコステロンの日内変動のダイナミックレンジが減少した。(2)ラットの両側副腎を摘出すると、血中コルチコトロピンの上昇に伴って、後部視床下部のヒスタミンが減少し、前部視床下部のヒスタミンが増加した。この時予めFMHを投与しておくと、両側副腎摘出後の血中コルチコトロピンの増加が著明に抑制された。(3)マウスに高張食塩水を皮下投与すると、血液浸透圧および血中バソプレッシンの上昇と一致して視床下部ヒスタミンの上昇がみられた。ラットにFMHを投与しておくと、急性食塩負荷による血中バソプレッシンの増加が抑制された。以上の実験に加えて、(4)視床下部においては、ヒスタミン神経の終末が窒傍核や視索上核など神経内分泌の中枢に密に分布していた、(5)in viro灌流系におけるゴナドトロピンの遊離にヒスタミンが【H_1】-受容体を介して関与していることなどを見いだした。
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