研究課題/領域番号 |
60480136
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
嶋津 孝 愛媛大, 医学部, 教授 (30090400)
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研究分担者 |
斉藤 昌之 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80036441)
高橋 章 愛媛大学, 医学部, 助手 (40171467)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 脂肪合成 / コレステロール合成 / 褐色脂肪組織 / 熱産性 / 視床下部腹内側核 / 交感神経 / 迷走神経切除 / 代謝調節 |
研究概要 |
1.褐色脂肪組織(BAT)の脂肪代謝ならびに熱産生機能に及ぼす視床下部腹内側核(VMH)の刺激効果とその作用機構の解析:BATは通常の白色脂肪と異なり、体内の余分なエネルギーを熱として散逸させる組織である。VMHを電気的に刺激すると、BATでの脂肪合成速度(【^3H2O】または【^(14)C】-glucoseの中性脂肪への取り込みで測定した)は著しく亢進し、同時に計測した組織温も速やかに上昇した。VMHの刺激が中性脂肪の分解を引き起こすことは既に明らかになっているので、この実験結果はBATでの中性脂肪の代謝回転がVMHの刺激によって加速され、熱産生能が増大することを示している。VMHの刺激効果はBATに分布する交感神経の切除によって消失するので、交感神経を介して作用が発現することが明確になった。 2.VMH破壊によるBATの変化と肥満の発生との関連性:上の実験と反対にVMHを破壊すると、BATにおける脂肪酸合成速度と熱産生能は共に著しく低下した。一方、BATの中性脂肪含量は著しく増量するが、これはVMHの破壊によって脂肪の代謝回転が遅くなり、その結果として中性脂肪が蓄積して細胞は肥大し白色脂肪細胞様に変容するためであることが判明した。つまり、VMH破壊によるBATでの脂肪代謝の調節異常が、熱産生という形でのエネルギー消費を抑え、VMH破壊後の肥満の発生に寄与していることが示された。 3.肝におけるコレステロール合成に及ぼす神経の作用:コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA reductase活性の日内変動(夜中に高く昼間に低い)の振幅は迷走神経切除によって減弱し、肝神経切除で増強する傾向を認めた。この事実は肝コレステロール合成が自津神経の影響を受けている可能性を示しているが、詳細は今後の解析に待たねばならない。
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