研究分担者 |
加藤 光保 東北大学, 医学部, 助手 (20194855)
沢井 高志 東北大学, 医学部, 助手 (00125577)
能勢 真人 東北大学, 医学部, 助教授 (70030913)
村上 一宏 東北大学, 医学部, 助手 (90190876)
宮沢 正顕 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (60167757)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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研究概要 |
いわゆる難病の多くを占める, 難治性炎症性疾患の大部分は"肉芽腫"を形成する. この肉芽腫は難治性且つ破壊性を有し, 病因も不明のものが多く緊急を要する医学の研究対象である. 申請者はその形成機序の解明がこれら難病の治療予防にとり最短最良の道と考え, ヒトの代表として慢性関節リウマチと多発性動脈炎を モデルとしてMRL/lマウスを材料として解析を行い, 主として免疫病理学的なアプローチで次の結果を得た. 1)慢性関節リウマチ滑膜肉芽腫性炎の解析. 遺伝的な基盤の上に, 恐らく常在菌PGが間に入って始まった滑膜炎で, 最初は, 血管新生が先行し, 滑膜A細胞の増殖が続き, 内皮が高円柱化した血管周囲にCD4Tが集り滑膜D細胞との接触活性化, Bリンパとの〓胞形成を経て局所でIgGICを作り, III型とIV型のアレルギー反応で破壊性肉芽腫性炎が出来上がって行くことが明らかとなった. 2)多発性動脈炎内膜肥厚の機序(付LPS動脈炎の内膜肥厚) 高安病, 川崎病, PNなどの動脈炎後遺症としての内膜肥厚は血小板他由来の増殖因子により, 収縮型から分泌型に変貌した際に増殖性と遊走性を得て内膜に移り次々とマトリックスを変えながら産性し消退する. この際細胞表面のGM1ガングリオシドを指標にして増殖因子や基質との関係が探れる. 3)MRL/l肉芽腫性炎の成立機序と遺伝学的背景 MRL/lの関節炎, 動脈炎, 腎炎はいずれも肉芽腫性であるが, これは異常に増殖するThy1・1gt5(+)リンパ球からのMAFにより異常に活性化され細胞外破壊性を得たマクロファージによる. Lprの他にgld, Yaaといった遺伝子も異常リンパ球の増生をさせるが, 病変を発生させるには, これらリンパ増生遺伝子の他に, 腎炎遺伝子か動脈炎遺伝子が必要なことが明らかとなった.
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