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酸素標識抗体による抗原保持細胞の特異的破壊

研究課題

研究課題/領域番号 60480156
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関東海大学

研究代表者

中根 一穂  東海大学, 医学部, 教授 (60164240)

研究分担者 上山 義人  東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
垣生 園子  東海大学, 医学部, 助教授 (30051618)
研究期間 (年度) 1985 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
キーワードCEA / 標識抗体 / ミサイル療法 / 免疫療法 / 上皮細胞刷子縁 / 酵素抗体法 / 酵素標識抗体
研究概要

Carcinoempryonic antigen(CEA)は, 正常上皮細胞刷子縁のみに存在するが, 癌細胞では全表面に現われることが免疫組織化学的に証明されている. この事実に基づき, このような局在変化を示す抗原を標的とすることにより, ミサイル免疫療法を考案した. Glucose oxidaseで標識した抗CEA抗体をヒト直腸癌を移植されたヌードマウスに静注したところ, 標識抗体は正常細胞とは反応せず, 癌細胞のみと反応し, その近傍で発生したH_2O_2は癌細胞膜を酸化して膜の透過性を高め, 追って静注したヨードイオンが浸透して癌細胞は破壊された. この処置で腫瘍の著しい縮小が認められた. 本法では貧食細胞が標識抗体を取り込んでも, これを消化, 不活性化するため, ricinのような毒性物質で標識した抗体で生ずる網内系への副作用が回避できた. しかし, galactose oxidaseで代用し, それをbiotin-avidine-biotin系により抗体に結合させる方法を開発した. また, CEAは血中に溶出するため, 静注した標識抗体と反応し腎臓等に沈着する副作用が生じたので, 膜表面にあって, 上皮細胞が癌化しても血中に溶出しないがCEAと同様に分布が変化する抗原を検索した. この検索には純度の高い多量のヒト結腸上皮細胞刷子縁を必要としたので, 新しい方法を開発した. その結果, 刷子縁にのみ存在する, 分子量が数千の数種の抗原の分離に成功した. 現在はこれら抗原に対する抗体の作製及び分離を施行している. 上記のミサイル療法は, 上皮性癌細胞の除去のみならず, 臓器移植時の拒絶反応に参与する免疫細胞の選択的な除去にも応用可能と考えられる. 上皮細胞の癌化に伴う極性の変化の結果, 血管側に発現される抗原を腫瘍のミサイル治療に応用することは, 癌特異抗原を必要としないので現実性があり, 近い将来での広範囲な応用が期待される.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] P.K.Nakane: "Isolation of brush border specific antigens."

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] P.K.Nakane: "New method for isolation of the brush border from gastrointestimal columner epithelial cells."

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] H.Yabe: "The lethal effect of galactose oxidase-labeled antibody on suspended cells."

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中根一穂,守内哲也,小路武彦: 癌と化学療法. 13. 740-746 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 小路武彦,中根一穂: 生体の科学. 37. 435-437 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] T.Moriuchi;K.Matsumoto;K.Koji;P.K.Nakane: Nucleic Acids Sym.Ser.17. 117-120 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] P.K.Nakane;T.Moriuchi;T.Koji;M.Tanno;K.Abe: Acta Histochem.Cytochem.19. (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] P.K.Nakane;T.Moriuchi;T.Koji;M.Tanno;K.Abe: Acta Paediatrica Japonica. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 中根一穂: "ホルモンと神経伝達物質" 朝倉書店, 8(1-7) (1985)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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