研究課題/領域番号 |
60480164
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 守弘 阪大, 微生物病研究所, 教授 (20029771)
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研究分担者 |
杉本 寿 大阪大学, 医学部, 講師 (90127241)
小堤 国広 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00144519)
杉本 央 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20142317)
平井 俊博 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50029790)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 破傷風毒素 / 毒素フラグメント / 破傷風中毒症 / 破傷風 / 自律神経系 / 致死原因 / 自律神経系活動異常 |
研究概要 |
1.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびアフィニティカラムによる破傷風毒素フラグメントの高度精製:精製毒素を至適条件下でパパイン処理し、HPLCゲル濾過でフラグメントA-BおよびCに分離精製、前者を次にHPLC吸着クロマトグラフィーおよび抗フラグメントC抗体をリガンドとしたプロテインA-セファローズカラムを素通りさせることにより、毒素が混在しない標品を得た。 2.高度精製フラグメントA-B(200μg)の活性:マウスに静注または筋注で破傷風に定型的な痙性麻痺を起こさず、ラット運動終板の伝達も遮断しなかったが、非定型的な「衰弱」を起こしてマウスを2〜4日で死亡させた。ネコ脊髄内注入では、毒素の場合と異なり、抑制性シナプスと興奮性シナプスを殆同時に遮断した。 3.「自律神経系活動異常」-血圧変動を伴う中毒動物モデルの解析:(1)マウスに静注で毒素,フラグメントA-Bは血圧上昇を殆ど起こさなかったが死亡前1〜半日に著明な血圧降下を示した。(2)ラットに毒素0.64〜2.6ng腹腔内注で、筋注と異なり、異常な血圧上昇を起こして死亡させた。毒素を脳室内注入するとより再現性よく血圧上昇および変動を起こした。中毒ラットの脳を固定、連続凍結切片を蛍光抗体法を用いて調べると毒素は延髄の最後野と孤束核との境界附近およびそこから中心管に向って局在した。破傷風毒素フラグメントに対するマウスのモノクローナル抗体を調製し、さらに毒素分子の存在様式を調べている。(3)ウサギに毒素を静注(0.3μgについで7日後30μg)すると、反復する血圧低下相を伴う著明な血圧変動を起こし、呼吸管理 続けたが死亡した。そこでウサギのモデルを用いて血圧制御を試み、ブピバカインによる接続的脊髄麻酔下でエピネフリン静注内投与で制御に成功した。4.ヒト破傷風治療への応用:ウサギで得られた結果を破傷風患者に応用し救命し得た。カテコールアミン自動測定システムを組み立て、尿,血中含量を調べている。
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