研究課題/領域番号 |
60480165
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
天児 和暢 九大, 医学部, 教授 (20078752)
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研究分担者 |
梅田 昭子 九州大学, 医学部, 助手 (30078604)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1985年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 細菌微細構造 / 電子顕微鏡 / 凍結置換法 / 急速凍結法 / 超薄切片法 / 細菌核 / 細胞壁 / きよう膜 |
研究概要 |
急速凍結置換固定法を細菌微細構造の研究に応用した。まず装置の自作から始め、最適の凍結、固定條件の設定を行った。装置・固定条件は下記のもので好結果を得た。 1.純銅でロックの表面を鏡面に磨き、そこに試料を圧着して凍結させる。冷媒は液体チッソで充分であった。 2.置換固定は、アセトンに四酸化オスミウムを4%に溶解したものを用いドライアイス-アセトン中で24時間行うので好結果を得た。四酸化オスミウムは決ずしも固定には必要はないが、試料に電子線のコントラスとを与えるのにはあった方が都合がよい。 3.凍結され、構造のよく保存される範囲は、圧着面上5〜10μmであった。 この方法で種々の細菌の構造を観察し次のような成果を得た。 1.大腸菌外膜は、波状の構造を示さず、内膜、ペプチドグリカン層が一体となったきれいな構造である。 2.細菌核は、従来教科書に記されている、DNA線維が中心に集積した構造ではなく、菌体内に広く拡がった構造をもっている。しかも、條件により、収縮と拡張をくり返すダイナミックな構造である。 3.従来の化学固定法では観察困難であった、きよう膜の微細構造が観察可能となった。 これからの展望として、細菌と生体細胞との反応、とくに食細胞との反応を観察することにより、食作用・機序がもっと祥細に明らかになると考えられる、しかしそのためには、液体ヘリウムによる冷却が必要である。
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