研究課題/領域番号 |
60480168
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山口 英世 帝京大, 医学部, 教授 (40009890)
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研究分担者 |
宮治 誠 千葉大学, 生物活性研究所, 教授 (40009494)
内田 勝久 帝京大学, 医真菌研究センター, 講師 (00009995)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1985年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 病原真菌 / 微生物菌株保存技術 / プログラムフリージング法 / プログラムフリーザー / 凍結乾燥法 |
研究概要 |
病原真菌菌株の長期保存法を確立することを目的に、病原真菌22菌種、39菌株を試験として選び、プログラムフリージングおよび凍結乾操法における好適な真菌培養保存処理条件について検討を行った。保存処理条件の適否の判定には、主として培養の生残率を指標として用い、加えて処理前後における形態学的、生化学的、血清学的および遺伝学的諸性状ならびに病原性(毒力)についても比較を行った。 プログラムフリージングに関しては、次の条件が良好な成績を与えることが判明した。サブローブドウ糖寒天培地に発育させた新鮮培養から菌(または胞子)を採取し、滅菌10%DMSOに懸濁して濃厚な菌液(【10^8】/ml)を調製する。この菌液を約1mlづつバイアルに分注した後、プログラムフリーザーに直接入れ、まず-45℃まで-1〜-2℃/分の速度で緩慢凍結を行い、次いで-5〜-6℃/分の速度で-85℃まで冷却した後、液体窒素気相中で保存する。融解は35℃の温浴中で急速に行う。以上の条件を用いた場合の生残率は31〜100%に達したが、同一菌種内でも菌株間でこの値に相違がみられた。また凍結前後で各菌株の形態学的、生理学的および血清学的諸性状ならびに病原性(毒力)には有意な変化をみとめなかった。このプログラムフリージング法を用いて保存した場合の6〜12ケ月後の生残率は、通常のディープフリーザによる緩慢凍結保存の場合にくらべて有意に高かった。以上の成績から、菌株保存に際して凍結時の温度制御の重要性が改めて認識されるとともに、プログラムフリージング法の有用性が検証された。 一方、凍結乾操法に関しては、酵母、皮膚糸状菌、二形性真菌および黒色真菌のいずれにおいても10%スキムミルクまたは20%庶糖を分散媒として用い、緩慢凍結を行った後に乾燥するという操作により良好な成績が得られた(生残率>20%)。
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