研究課題/領域番号 |
60480169
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 喜代人 山形大, 医学部, 教授 (00125775)
|
研究分担者 |
菅原 勘悦 山形大学, 医学部, 教務職員 (60110673)
西村 秀一 山形大学, 医学部, 助手 (50172698)
北目 文郎 山形大学, 医学部, 助教授 (40004676)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1986年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1985年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | C型インフルエンザウイルス / 糖蛋白質 / 抗原性 / 糖鎖 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
C型インフルエンザウイルスはgp88と呼ばれる一種類の糖蛋白質を持つ。C型ウイルス感染細胞をツニカマイシンで処理すると、糖鎖を欠くgp88に相当する分子量76Kの蛋白(T76)の合成が新たに認められるようになる。本研究は、gP88とT76の抗原性をgp88に対する単クローン抗体を用いて比較することにより、gp88の抗原性発現における糖鎖の役割を解明しようとするものである。これまでに得られた成績を以下に要約する。 1.解析に用いた7つの単クローン抗体は、赤血球凝集阻止活性や中和活性を持つA群(J14,J9,Q5,K16)とそれらを欠くB群(S16,J15,J6)に分けることができる。 2.gp88とT76の抗原性をRIP法で比較したところ、B群の抗体がT76ともよく反応するのに対して、A群の抗体とT76の反応性は極端に低下、もしくは消失していた。従って、抗原性の発現に糖鎖の付加を必要とするのは、A群の抗体が認識するエピトープであると判断される。 3.ウイルス蛋白をポリアクリルアミドゲル電気泳動で分画したのち、gp88と単クローン抗体との反応をイムノブロット法で調べたところ、B群とは対照的に、A群とgp88の間に反応を認めることはできなかった。従って、A群が認識するエピトープは高次構造に強く依存していると判断される。 4.以上の成績から、gp88が所定の高次構造を形成するためには糖鎖の付加が不可欠であり、このため糖鎖の合成を阻止すると、高次構造依存性のエピトープの発現が強く抑制されるものと思われる。しかも興味深いことに、糖鎖依存性のエピトープは中和抗体の産性によ与るエピトープに一致している。このためウイルス糖蛋白質が中和抗体産生能を持つためにも、糖鎖の付加は重要な役割を果していると推測される。
|