研究課題/領域番号 |
60480172
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉明 京大, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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研究分担者 |
志田 壽利 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00144395)
野田 哲生 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10183550)
佐竹 正延 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50178688)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | ポリオーマウイルス / エンハンサー / F9変異株 / 転写調節因子 / transcriptional regulators |
研究概要 |
野生株ポリオーマウイルスは、分化したマウス線維芽細胞(3T3細胞)で増殖するが、発生初期の未分化細胞に相当する細胞株、F9細胞では増殖しえない。F9細胞でも増殖しうるF9変異株が種々分離されており、それらはウイルスエンハンサー領域に変異を有する。その1つF441は、エンハンサー領域の点変異株である。この点変異部位を含むオリゴヌクレオチド(野性型と点変異型)を合成し、細胞内因子との特異的結合の有無を、ゲル・シフト法により調べた。3T3・F9の両細胞中に、野生型配列には結合しないが、点変異配列には強く結合する因子が存在することが判明した。結合部位は点変異部位を含む約8塩基長の領域である。かつこの因子はF9・3T3細胞のみならず、種・組織を越えて汎く存在する。一方、オリゴヌクレオチドを、CAT(クロウムフェニコールアセチル化酵素)遺伝子の上流に連結した組み換え体DNAを、細胞にトランスフェクト後、回収されるCAT活性を測定することにより、遺伝子発現に対するオリゴヌクレオチドの影響を検討した。F9細胞中で、F441オリゴヌクレオチドは、野生型オリゴヌクレオチドの3倍程、CAT遺伝子発現を促進した。またF441オリゴヌクレオチドをCAT遺伝子の上流にダイマーとして連結すると、さらに効果は増強する。以上の結果より、F441点変異により、その部に転写促進因子が結合できる様になり、F441変異株の表現型は、その因子との結合で説明できるとの結論を得た。尚野生株エンハンサーが何故F9細胞で機能しないかを調べるため引き続き他の領域の解析を行なっている。
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